最終更新日: 2026-04-05
📋 この記事のポイント
- ✓ デュタステリドの副作用は主に性機能関連で、発生率は比較的低いと報告されています。
- ✓ 服用中止後も成分が体内に長く残留するため、献血制限や妊娠中の女性への接触に注意が必要です。
- ✓ 安全な使用のためには、医師との十分な相談と定期的なPSA値の確認が重要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
デュタステリドは、男性型脱毛症(AGA)の治療薬として広く用いられています。その有効性が期待される一方で、副作用や安全性に関する懸念を持つ方も少なくありません。この薬剤は、テストステロンが変換されて生成されるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑制することで、AGAの進行を遅らせ、発毛を促進する作用があります[5]。しかし、DHTは男性の身体機能において重要な役割を果たすホルモンであるため、その抑制によって様々な副作用が生じる可能性があります。
当院では、デュタステリドを検討されている患者様に対し、治療のメリットだけでなく、起こりうる副作用やその対策について十分に説明することを心がけています。オンライン診療では、患者様がご自宅でリラックスして相談できるため、副作用に関する不安も打ち明けやすいという利点があります。処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、患者様の生活習慣の変化や精神的な状態も確認するようにしています。
📑 目次
デュタステリドの副作用一覧と発生率

- 5α還元酵素阻害薬とは
- 男性ホルモンであるテストステロンを、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換する酵素「5α還元酵素」の働きを阻害する薬剤の総称です。AGA治療薬として用いられ、DHTの産生を抑制することで脱毛の進行を抑えます。
| 副作用の種類 | デュタステリドの発生率(目安) | プラセボの発生率(目安) |
|---|---|---|
| リビドー減退 | 約4.7% | 約1.6% |
| 勃起不全 | 約4.9% | 約1.8% |
| 射精障害 | 約1.4% | 約0.5% |
| 乳房障害(疼痛・腫脹) | 約1.0% | 約0.2% |
⚠️ 注意点
副作用の発生には個人差があり、上記はあくまで目安です。気になる症状が現れた場合は、自己判断せずに必ず医師に相談してください。
デュタステリドの性機能への副作用は?
デュタステリドは、男性ホルモンに作用する薬剤であるため、性機能に関する副作用が最も懸念される点の一つです。具体的にどのような影響があるのか、そのメカニズムと対処法について詳しく見ていきましょう。 デュタステリドは、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害します。DHTは男性の性機能にも関与するホルモンであるため、その濃度が低下することで、性機能に関連する副作用が発現する可能性があります[1]。臨床試験では、リビドー(性欲)減退、勃起不全、射精障害などが報告されています。- リビドー減退: 性欲の低下を指します。デュタステリド服用者の約4.7%に報告されています[5]。
- 勃起不全(ED): 勃起の維持が困難になる状態です。約4.9%の患者で報告されています[5]。
- 射精障害: 射精量の減少や、射精時の不快感などを指します。約1.4%の患者で報告されています[5]。
⚠️ 注意点
性機能に関する副作用は、精神的な要因や他の疾患が原因である可能性もあります。自己判断せず、必ず医師の診察を受けてください。
デュタステリドの半減期と体内残留(服用中止後も長期残留)

- 半減期とは
- 体内に吸収された薬物の量が、代謝や排泄によって半分に減少するまでの時間を指します。半減期が長い薬物は、体内に長く留まる傾向があります。
- 献血の制限: デュタステリド服用中、および服用中止後一定期間は献血ができません。これは、献血された血液が妊婦や小児に輸血された場合、デュタステリドの成分が影響を及ぼす可能性があるためです。具体的な期間については、デュタステリド服用中の献血禁止期間(6ヶ月の理由)で詳しく解説します。
- 妊娠中の女性との接触: 妊娠中の女性がデュタステリドに触れると、経皮吸収される可能性があります。これにより、胎児の生殖器の発育に影響を及ぼすリスクがあるため、取り扱いには厳重な注意が必要です。詳細はデュタステリドの妊娠・授乳への影響で説明します。
⚠️ 注意点
デュタステリドは体内残留期間が長いため、服用中止後も影響が残る可能性があります。医師の指示に従い、適切な期間は注意を継続してください。
デュタステリド服用中の献血禁止期間(6ヶ月の理由)
デュタステリドを服用している、または服用を中止したばかりの男性は、献血が制限されます。この制限は、なぜ6ヶ月という期間が設けられているのでしょうか。 デュタステリドは、その薬効成分が体内に長く留まる性質を持っています。前述の通り、半減期が約3〜5週間と長いため、服用を中止しても体内のデュタステリド濃度が十分に低下するまでには時間を要します。日本赤十字社は、デュタステリド服用中の献血を禁止しており、服用を中止した場合でも、最後の服用から6ヶ月間は献血を控えるよう定めています[5]。 この6ヶ月という期間は、デュタステリドの成分が献血された血液を通じて、輸血を受けた人に影響を及ぼす可能性を考慮したものです。特に、輸血を受ける可能性のある妊婦や乳幼児に対して、薬剤の成分が影響を与え、胎児や乳児の生殖器の発育に悪影響を及ぼすリスクを避けるために設けられています。デュタステリドは、胎児の男性生殖器の正常な発達を阻害する可能性があるため、非常に厳重な注意が必要とされています[5]。 臨床の現場では、デュタステリドの処方時に、必ず献血制限について患者様に説明するようにしています。特に、定期的に献血を行っている患者様にとっては重要な情報であり、治療開始前に十分に理解していただくことが不可欠です。オンライン診療では、このような重要な情報を、患者様が落ち着いて理解できるよう、丁寧な説明を心がけています。- 日本赤十字社と献血制限
- 日本赤十字社は、輸血の安全性を確保するため、特定の薬剤を服用している人や特定の疾患を持つ人に対して献血を制限しています。デュタステリドもその一つで、胎児への影響リスクを考慮し、服用中止後6ヶ月間の献血を禁止しています。
⚠️ 注意点
デュタステリド服用中および服用中止後6ヶ月間は献血ができません。この期間は厳守し、献血を希望する場合は必ず医師に相談してください。
デュタステリドの妊娠・授乳への影響
デュタステリドは、男性ホルモンに作用する薬剤であるため、特に妊娠中の女性や授乳中の女性、そしてその胎児・乳児への影響について厳重な注意が必要です。ここでは、具体的なリスクと、それを避けるための対策について解説します。 デュタステリドは、経皮吸収される可能性があるため、妊娠中の女性が薬剤に触れること自体がリスクとなります。特に、妊娠初期の胎児の男性生殖器の発達は、ジヒドロテストステロン(DHT)の作用に大きく依存しています。デュタステリドがDHTの産生を抑制することで、男性胎児の生殖器の正常な発達が阻害される可能性が指摘されています[5]。これには、尿道下裂(尿道の開口部が正常な位置にない状態)などの先天異常が含まれる可能性があります。- 経皮吸収とは
- 皮膚から薬剤の成分が体内に吸収される現象を指します。デュタステリドの成分は皮膚を通して吸収される可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。
- 薬剤の取り扱い: デュタステリドのカプセルは、破損した状態では絶対に妊娠中の女性に触れさせないでください。もしカプセルが破損し、内容物に触れてしまった場合は、速やかに石鹸と水で洗い流す必要があります。
- 性行為時の注意: デュタステリドは精液中に移行することが報告されています[5]。そのため、妊娠の可能性がある女性との性行為の際には、コンドームを使用するなど、避妊具を用いて女性への曝露を避けることが推奨されます。
⚠️ 注意点
妊娠中の女性や妊娠の可能性がある女性は、デュタステリドに絶対に触れないでください。服用中の男性は、パートナーへの配慮を怠らないようにしましょう。
デュタステリドと前立腺への影響(PSA値)

- PSA(前立腺特異抗原)とは
- 前立腺で産生されるタンパク質で、血液中の濃度を測定することで前立腺がんのスクリーニングや診断、治療効果のモニタリングに用いられます。PSA値が高いと前立腺がんの可能性が示唆されます。
| 項目 | デュタステリド服用中のPSA値 | 服用していない場合のPSA値 |
|---|---|---|
| PSA値の傾向 | 約50%低下する | 基準値と比較して評価 |
| 評価時の注意点 | 測定値を約2倍して解釈 | そのまま基準値と比較 |
| 前立腺がん発見リスク | 見かけ上の正常値で発見遅延の可能性 | PSA値上昇で早期発見に寄与 |
⚠️ 注意点
デュタステリド服用中のPSA値は低下するため、前立腺がんの診断に影響を与える可能性があります。必ず医師に服用を伝え、適切な評価を受けてください。
まとめ
デュタステリドは男性型脱毛症(AGA)の有効な治療薬ですが、その副作用と安全性について正しく理解することが重要です。主な副作用としては、性機能関連の症状が挙げられますが、発生率は比較的低いとされています。また、半減期が長く体内に残留する性質があるため、献血制限や妊娠中の女性への接触には厳重な注意が必要です。前立腺がんのスクリーニング指標であるPSA値にも影響を及ぼすため、定期的な検査と医師による適切な評価が不可欠です。オンライン診療では、これらの注意点を丁寧に説明し、患者様が安心して治療を継続できるようサポートしています。対面診療とオンライン診療を適切に使い分けながら、ご自身の健康状態に合わせた治療を選択することが大切です。📱 【スマホで完結】オンライン診療のご案内
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📖 参考文献
- Jason M Hirshburg, Petra A Kelsey, Chelsea A Therrien et al.. Adverse Effects and Safety of 5-alpha Reductase Inhibitors (Finasteride, Dutasteride): A Systematic Review.. The Journal of clinical and aesthetic dermatology. 2016. PMID: 27672412
- Walter Gubelin Harcha, Julia Barboza Martínez, Tsen-Fang Tsai et al.. A randomized, active- and placebo-controlled study of the efficacy and safety of different doses of dutasteride versus placebo and finasteride in the treatment of male subjects with androgenetic alopecia.. Journal of the American Academy of Dermatology. 2014. PMID: 24411083. DOI: 10.1016/j.jaad.2013.10.049
- David-Dan Nguyen, Maya Marchese, Eugene B Cone et al.. Investigation of Suicidality and Psychological Adverse Events in Patients Treated With Finasteride.. JAMA dermatology. 2021. PMID: 33175100. DOI: 10.1001/jamadermatol.2020.3385
- Claus G Roehrborn, Paul Siami, Jack Barkin et al.. The effects of combination therapy with dutasteride and tamsulosin on clinical outcomes in men with symptomatic benign prostatic hyperplasia: 4-year results from the CombAT study.. European urology. 2010. PMID: 19825505. DOI: 10.1016/j.eururo.2009.09.035
- ザガーロ(デュタステリド)添付文書(JAPIC)
🏛️ ガイドライン・公的資料