フェキソフェナジンとは
フェキソフェナジンは、第2世代抗ヒスタミン薬の一つであり、花粉症やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などのアレルギー症状を抑えるために広く使用されています。有効成分であるフェキソフェナジン塩酸塩は、眠気を引き起こしにくいことが特徴であり、日中の活動に影響を与えにくい抗アレルギー薬として人気があります。
本剤は、ヒスタミンH1受容体を選択的に遮断することで、アレルギー症状の原因となるヒスタミンの作用を抑え、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・皮膚のかゆみなどの症状を改善します。
フェキソフェナジンの効果
フェキソフェナジンは以下のような症状に対して有効です。
- 花粉症やアレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまりの緩和)
- 蕁麻疹や皮膚のかゆみの軽減
- その他のアレルギー症状(湿疹、皮膚炎)
フェキソフェナジンは、抗ヒスタミン作用を持ちつつ、眠気を起こしにくいため、運転や仕事中でも使用しやすいのが特徴です。
効果発現までの時間と持続時間
フェキソフェナジンは、通常服用後1〜2時間程度で効果が現れ、その後約24時間持続します。そのため、1日1〜2回の服用で安定した効果を得ることができます。
フェキソフェナジンの用法・用量
- 通常、成人には1回60mgまたは120mgを1日2回、または180mgを1日1回服用します。
- 小児(7歳以上)は1回30mgを1日2回服用。
- 食事の影響を受けにくいため、食前・食後どちらでも服用可能。
フェキソフェナジンの利点と他の抗ヒスタミン薬との比較
フェキソフェナジンは、第1世代抗ヒスタミン薬と比較して眠気が少なく、安全性が高いとされています。他の第2世代抗ヒスタミン薬と比較しても、脳内への移行性が低いため、中枢神経系への影響が少なく、眠気や集中力の低下が起こりにくい特徴があります。
抗ヒスタミン薬 | 眠気の副作用 | 持続時間 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
フェキソフェナジン | ほぼなし | 約24時間 | 眠気が少なく、運転可 |
セチリジン | ややあり | 約24時間 | 一部の人に眠気あり |
ロラタジン | ほぼなし | 約24時間 | 眠気は少ないが個人差あり |
クロルフェニラミン(第1世代) | 強い | 4〜6時間 | 強い鎮静作用あり |
臨床成績
アレルギー性鼻炎(国内第Ⅲ相試験・成人)
日本国内で実施された季節性アレルギー性鼻炎患者を対象とした臨床試験(解析対象307例)では、フェキソフェナジン塩酸塩60mgを1日2回、2週間経口投与した際、くしゃみ発作、鼻汁、眼症状の合計症状スコアが有意に改善しました。プラセボ群と比較すると、症状の変化量は以下の通りです。
投与群 | 症例数 | 投与前(平均±SE) | 変化量(平均±SE) | 検定(共分散分析) |
---|---|---|---|---|
プラセボ | 105 | 6.74±0.14 | 0.07±0.18 | – |
60mg | 100 | 6.64±0.14 | -0.36±0.18 | p=0.0244 |
副作用発現率は9.9%(10/101例)であり、主な副作用は眠気(3.0%)、白血球減少(3.0%)でした。
アレルギー性鼻炎(海外第Ⅲ相試験・成人)
秋季季節性アレルギー性鼻炎患者570例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、フェキソフェナジン塩酸塩60mgの1日2回投与は、症状スコアの有意な減少を示しました。
投与群 | 症例数 | 投与前(平均±SE) | 変化量(平均±SE) | 検定(共分散分析) |
---|---|---|---|---|
プラセボ | 141 | 8.88±0.14 | -1.56±0.20 | – |
60mg | 141 | 8.81±0.14 | -2.64±0.20 | p=0.0001 |
副作用発現率は14.2%(20/141例)であり、主な副作用は頭痛(2.8%)、めまい(2.1%)、白血球減少(2.1%)でした。
まとめ
- アレルギー症状(花粉症・蕁麻疹・皮膚炎)に高い効果を発揮
- 服用後1〜2時間で効果が現れ、約24時間持続
- 眠気がほぼなく、運転や仕事にも支障が少ない
- アルコールやグレープフルーツジュースとの併用に注意
- 腎機能が低下している方は用量調整が必要
フェキソフェナジンは、花粉症やアレルギー症状を改善しながらも、日常生活に影響を与えにくい抗アレルギー薬として、多くの患者に選ばれています。
参考文献
- 日本経済新聞社 日経メディカル「フェキソフェナジン塩酸塩」
- 日本経済新聞社 日経メディカル「フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラOD錠)」
- KEGG MEDICUS「フェキソフェナジン塩酸塩(医薬品情報)」
- 杏林製薬株式会社「フェキソフェナジン塩酸塩 添付文書」
- アレグラ公式サイト「フェキソフェナジンの特徴と作用