ハイチオールは肌トラブルによく処方されるお薬です。配合成分に違いのある市販薬などさまざまな種類が発売されています。
ハイチオールの有効成分はL-システインというアミノ酸です。髪の毛や爪・皮膚などに存在する成分で、主に肌トラブルの改善に効果を期待できます。美容効果のあるお薬として皮膚科、美容外科で取り扱いが多く、市販薬を含めると服用した経験のある方も多いかもしれません。
ハイチオールの効果・効能
ハイチオールは下記の作用が認められています。
- 皮膚代謝の正常化
- 抗アレルギー
- 解毒
- 放射線照射時の白血球減少の抑制
これらの作用から、主に下記のような皮膚疾患の治療に用いられます。
- ニキビ・肌荒れ改善
- シミ・そばかすの改善、美白効果
- 蕁麻疹の改善
また、実は二日酔いにも効果があるのです。それぞれの効果について解説します。
ニキビ・肌荒れ改善
ニキビや肌荒れは皮膚の代謝(ターンオーバー)が乱れて皮脂分泌が多いときに生じやすいです。L-システインは皮膚の代謝を正常化する作用があるため、皮脂の過剰な分泌を抑えてニキビ・肌荒れの改善が期待できます。
シミ・そばかすの改善、美白効果
L-システインの抗酸化作用によって過剰なメラニン色素の生成を抑制します。また、肌の代謝(ターンオーバー)を整える作用もあるため、メラニン色素が付着している皮膚を体外にスムーズに排出します。
蕁麻疹の改善
蕁麻疹の原因は多岐にわたりますが、その中でもアレルギー性の蕁麻疹の場合はハイチオールの抗アレルギー作用によって改善が期待できます。同様にアレルギー性の湿疹などにも有効です。
二日酔いの改善
二日酔いは過度の飲酒によって肝臓の処理が追いつかず、血中のアセトアルデヒド濃度が高まることで発生します。
アセトアルデヒドは毒性があり、頭痛や胸焼けなど様々な不快な症状を引き起こします。ハイチオールには解毒作用があるため、アセトアルデヒドに働きかけて毒性を弱め、二日酔いの症状軽減が期待できます。
ハイチオール処方薬と市販薬の成分差
ハイチオール40、ハイチオール80は医師から処方される医療用医薬品です。
有効成分であるL-システインが配合された市販薬はいくつか発売されているので、成分差について下記の表で確認してみましょう。
販売名 | L-システイン(1錠あたり) | |
---|---|---|
処方薬 | ハイチオール40 | 40mg |
ハイチオール80 | 80mg | |
市販薬 | ハイチオールホワイティアプレミアム | 60mg |
ハイチオールCプラス2 | 40mg | |
ハイチオールCホワイティア | 40mg | |
ハイチオールBクリア | 26.6mg |
〈参考〉エスエス製薬公式HP
市販薬のL-システイン量は処方薬と比較すると若干少なくなります。その代わりにビタミンCやビタミンBの成分を配合しているものもあります。
ハイチオールの高い効果を望むのであれば、ハイチオール80の服用がよいでしょう。
当院ではハイチオール80を処方しておりますので、ご希望の方はご相談ください。
ハイチオールの副作用
ハイチオールの副作用としては下記が挙げられます。
- 悪心(0.1〜5%未満)
- 下痢(0.1%未満)
- 口の渇き(0.1%未満)
- 軽度の腹痛(0.1%未満)
医薬品インタビューフォームの情報では、2,122 例中副作用が報告されたのは14例(0.66%)で、その主なものは悪心10 件(0.47%)、下痢 2 件(0.09%)等で、重篤な副作用はありませんでした。
ハイチオールの主成分であるL-システインはもともと体内に存在するため、副作用が起こる確率も低いです。また、長年様々な方に処方されているお薬ですが、重大な副作用の報告は過去にありませんので、過度な心配は不要です。
ハイチオールで白髪になるという医学的根拠はない
L-システインがメラニン色素の生成を抑制するという作用があることもあり、「ハイチオールを服用すると白髪になる」という情報に触れた方もいらっしゃるかもしれません。
この噂について、ハイチオールを服用して白髪が増えるという医学的根拠はないため、気にする必要はありません。
ハイチオールはどこで買える?
医療用医薬品のハイチオール錠40・80は医療機関で処方を受けることで入手できます。市販薬は第三種医薬品になっており、薬剤師や登録販売者の管理下において販売可能のため、ドラッグストアや一部のコンビニでも取り扱いがあります。
有効成分の含有量に違いがあるため、シミやそばかすなど美白効果を最大限求めたいという場合は医療機関での処方を受けることをおすすめします。
当院でもハイチオール80の取り扱いがございますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ハイチオールはL-システインを有効成分とする肌トラブルに効果的なお薬です。処方薬と市販薬がありますが、有効成分の含有量に違いがあるため、医療機関で処方を受けることをおすすめします。
当院でもハイチオール80の取り扱いがございますので、お気軽にご相談ください。初診再診無料でご案内しております。