トラネキサム酸の効果・副作用 – 東京オンラインクリニック

トラネキサム酸の効果・副作用

薬名: トラネキサム酸
読了時間: 約1分

トラネキサム酸とは

トラネキサム酸は、必須アミノ酸であるリシンを基に人工合成されたアミノ酸の一種です。元々は出血性疾患や炎症性疾患の治療に用いられてきましたが、近年では美白効果が注目され、美容目的での処方も増えています。

トラネキサム酸の効果・効能

トラネキサム酸には、「プラスミン」という酵素の働きを抑制する効果があります。プラスミンは以下のような働きを持っています。

  • 血液の凝固を防ぐ
  • 炎症反応やアレルギー反応に関与する
  • シミの原因となるメラノサイトを活性化する

これらの作用を持つプラスミンを抑制することで、トラネキサム酸は止血作用、抗炎症作用、シミの予防効果が期待できます。ただし、効果は比較的マイルドなため、他の薬剤と併用されることが一般的です。

トラネキサム酸の美容効果

トラネキサム酸は、2002年に厚生労働省から美白効果のある成分として認められ、シミや肝斑の治療薬として使用されています。

肝斑は、頬や額、口周りに左右対称に現れる茶色いシミで、特に女性に多く見られます。一般的なシミとは異なり、過度な治療によって悪化することがあるため、注意が必要です。肝斑の原因としては、遺伝、妊娠、紫外線、摩擦などが挙げられますが、特に紫外線の影響が大きいとされています。

トラネキサム酸は、紫外線や摩擦による炎症を抑え、メラノサイトを活性化するプラスミンの働きを抑制することで、肝斑の改善が期待できます。また、通常のシミについても、新たなシミの予防と既存のシミの改善に効果があるとされています。

トラネキサム酸の使用方法

トラネキサム酸は、1日750〜2000mgを3〜4回に分けて経口投与します。服用量は年齢や症状によって調整されるため、医師の指示に従ってください。

トラネキサム酸の副作用

主な副作用

  • 食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ
  • 過敏症(そう痒感、発疹)
  • 眠気 など

重大な副作用

  • 人工透析患者において痙攣が起こることがある(頻度不明)

トラネキサム酸が使用できない方

以下の病歴やリスクがある方は、トラネキサム酸を使用できません。

  • 脳梗塞、狭心症、心筋梗塞
  • 腎不全、血栓性静脈炎

トラネキサム酸には止血作用があるため、血液が固まりやすくなる可能性があります。そのため、血栓が原因となりやすい病気の既往歴がある場合は使用できません。

また、経口避妊薬(ピル)を服用中の方は、併用に注意が必要です。ピルの使用も血栓症リスクを高める可能性があるため、トラネキサム酸の併用については慎重に判断する必要があります。

トラネキサム酸の臨床効果

有効性および安全性に関する試験

全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向および局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血

国内の一般臨床試験において、白血病、再生不良性貧血、紫斑病などの出血傾向や、肺出血、性器出血、腎出血、手術中・術後の異常出血に対する止血効果は73.6%(2,063/2,802例)に認められました。

湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒等の症状

国内の一般臨床試験において、湿疹や蕁麻疹、薬疹・中毒疹などの皮膚疾患患者223例を対象とした試験で、そう痒、腫脹、紅斑などの症状に対する有効率は60.5%(135/223例)と報告されています。

引用:トラネキサム酸錠250mg「YD」 添付文書

よくある質問

トラネキサム酸はすでにあるシミの治療に使えますか?

トラネキサム酸には抗炎症作用があるため、既存のシミを薄くする効果も期待できます。ただし、どちらかといえば新たなシミの予防により効果的です。

トラネキサム酸は、シミの原因となるメラノサイトの活性化因子(プラスミンやプロスタグランジン)を阻害し、メラニンが生成される前の段階でブロックする作用を持っています。そのため、シミの予防効果のほうが高いと考えられています。

トラネキサム酸は肝斑にも使えますか?

使用可能です。トラネキサム酸は長年にわたり肝斑治療に用いられています。ただし、紫外線対策やスキンケアなど、他の要因への対策も併せて行うことが治療上重要です。

トラネキサム酸の市販薬と処方薬の違いは何ですか?

トラネキサム酸は市販薬としても販売されており、内服薬のほか、化粧品にも配合されることが増えています。

市販薬と処方薬の違いは、有効成分の含有量にあります。市販薬は、誰が使用しても重大な副作用が起こりにくい濃度で調整されており、その分効果もマイルドです。一方、処方薬は有効成分の含有量が多く、効果が高い反面、副作用のリスクも高くなるため、医師の診断に基づいて処方されます。

参考文献

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