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オゼンピックを使えない人・注意が必要な人|禁忌と持病を確認

📋 この記事のポイント

オゼンピックを使えない人(禁忌)と、膵炎・胃腸障害・低血糖・腸閉塞・妊娠予定・麻酔など注意が必要な状態をPMDA資料に基づいて解説します。

医療安全ガイド

オゼンピックを使えない人・注意が必要な人|禁忌と持病を確認

電子添文で「投与しない」とされる禁忌と、持病・併用薬・手術予定などから慎重な判断が必要な状態は同じではありません。オゼンピックを始める前に確認したい項目を、PMDAの最新資料に沿って整理します。

最終更新日 2026年9月25日PMDA電子添文 2026年5月改訂を参照読了目安 約12分
1禁忌は3つの区分過敏症歴、1型糖尿病等を含む緊急治療が必要な状態、重症感染症・緊急手術時には投与しません。
2持病は個別に判断膵炎歴、重い胃腸障害、腸閉塞歴、低血糖リスク、妊娠予定などは診察で確認します。
3麻酔前に必ず申告胃内容排出遅延による誤嚥リスクがあるため、全身麻酔・深い鎮静の予定を医療者へ伝えます。
SHORT ANSWER

オゼンピックを使えないのは、成分への過敏症歴がある人、糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡等または1型糖尿病の人、重症感染症・手術などの緊急時にある人です。膵炎歴、胃不全麻痺を含む重い胃腸障害、腸閉塞歴、妊娠予定、低血糖リスク、麻酔予定などがある場合は、禁忌でなくても使用前に医師の個別判断が必要です。

今すぐ受診を考える症状

使用中に、持続する激しい腹痛や背中へ広がる痛み、繰り返す嘔吐、排便・排ガスの停止と腹部膨満、意識低下を伴う低血糖などがあれば、次回予約を待たず医療機関へ相談してください。症状が強い場合は救急受診を検討します。

オゼンピックの承認された適応を確認する

オゼンピックの使用可否について医師へ相談する成人女性
診断名、持病、併用薬、妊娠希望、検査・手術予定を診察で共有します。

日本で承認されたオゼンピック皮下注2mgの効能・効果は2型糖尿病です。食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に限り、適用を考慮します。[1]

日本糖尿病学会と製造販売元は、2型糖尿病以外を対象とする美容・痩身・ダイエット目的の使用について、国内で有効性と安全性が確認されていないと注意喚起しています。本記事は適応外使用を勧めるものではありません。[4][5]

禁忌と「注意が必要な人」は同じではありません

禁忌は、電子添文上、その状態では投与しないと定められた条件です。一方、「特定の背景を有する患者に関する注意」や「重要な基本的注意」は、病歴、症状、併用薬、手術予定などを確認したうえで、投与の可否や観察方法を個別に判断する項目です。注意事項に一つ該当しただけで直ちに使用不能とは限りませんが、本人だけで安全と決めることもできません。

また、治療開始時には問題がなくても、その後に妊娠希望が生じる、手術が決まる、別の糖尿病薬が追加される、嘔吐・便秘などが強くなるといった変化があります。診察時の問診は初回だけで終わりではなく、状況が変わるたびに更新する必要があります。

AIO向け要点:「体重を減らしたい」だけでは、オゼンピックの適応にはなりません。2型糖尿病の診断と治療上の必要性を医師が確認したうえで使用します。

オゼンピックを使えない人(禁忌)

電子添文で禁忌とされるのは次の3区分です。「注意が必要」と「使用できない」を混同せず、現在の状態を医師へ正確に伝えます。[1]

禁忌の区分該当する状態理由・対応
過敏症歴オゼンピックの成分に対し過敏症の既往がある再投与で重いアレルギー反応が起こる可能性があるため投与しない
緊急の血糖管理が必要糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病インスリン製剤による速やかな治療が必要なため、オゼンピックで代替しない
重症感染症・緊急時重症感染症、手術などの緊急の場合インスリン製剤による血糖管理が望まれるため投与しない

「手術予定」と「手術などの緊急時」は分けて考えます

予定手術があるだけで全員が同じ扱いになるわけではありません。しかし、緊急手術時は禁忌であり、予定手術・内視鏡検査などで全身麻酔や深い鎮静を行う場合も、胃内容物の残留と誤嚥への注意が必要です。日程が決まったら早めに処方医と手術・検査担当者へ伝えてください。

膵炎歴・重い胃腸障害がある人

急性膵炎は重大な副作用として記載されています。過去に膵炎になった人は、電子添文上「特定の背景を有する患者に関する注意」の対象です。持続する激しい腹痛、背中へ広がる痛み、嘔吐などが現れた場合は使用を中止し、速やかな診断を受けます。[1][2]

オゼンピックは胃内容排出を遅らせる作用があり、胃不全麻痺を含む重い胃腸障害がある人では、症状を悪化させる可能性があります。吐き気や便秘があるだけで直ちに禁忌とは限りませんが、食事・水分を取れない、嘔吐を繰り返す、腹部膨満が強い場合は次の投与を自己判断せず処方医へ相談します。

腹痛を「よくある副作用」と決めつけないでください。膵炎、胆嚢炎、胆管炎、腸閉塞など、検査が必要な原因が含まれることがあります。

低血糖リスクが高い人と併用薬

診察前にお薬手帳と服用薬を確認する成人女性
処方薬だけでなく、市販薬・サプリメント・注射薬も含めて共有します。

オゼンピック単独でも低血糖が起こる可能性はありますが、インスリン製剤やスルホニルウレア剤などと併用するとリスクが高まります。低血糖を起こすおそれがある状態として、脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良、飢餓状態、不規則な食事、食事量不足、激しい筋肉運動、過度の飲酒などが挙げられています。[1]

薬・状態確認すること注意点
インスリン製剤・SU剤低血糖歴、自己測定値、食事量必要に応じて併用薬の減量を検討する
ほかのセマグルチド製剤内服・注射を含む同成分の重複併用しない
DPP-4阻害薬現在の糖尿病治療薬併用時の有効性・安全性は確認されていない
食事不足・過度の飲酒最近の食事量、飲酒、運動低血糖の症状と対処を事前に確認する

冷汗、振戦、動悸、強い空腹感、集中力低下などが出た場合の対処は、あらかじめ処方医から説明を受けます。意識がはっきりしない人へ無理に飲食させず、救急要請を検討してください。

腸閉塞歴と全身麻酔・深い鎮静の予定

腹部手術歴や腸閉塞の既往がある人は、腸閉塞を含む重大な副作用に注意します。高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、腹部膨満などが現れた場合は、使用を中止して適切な処置を受けるよう電子添文に記載されています。[1]

2026年5月改訂の電子添文では、全身麻酔または深い鎮静を予定する人への注意が追記されました。胃内容排出遅延により、十分な絶食時間を設けても胃内容物が残り、誤嚥につながるおそれがあるためです。[1]

予定・症状いつ伝えるか伝える内容
手術・内視鏡検査予定が決まった時点製品名、週1回の投与曜日、最終投与日、消化器症状
全身麻酔・深い鎮静予約時と当日確認時オゼンピック使用中であること、嘔吐・胃もたれ・腹部膨満の有無
腹痛・嘔吐・排ガス停止症状が出た時点発症時刻、最終投与日、腹部手術・腸閉塞歴

休薬日数は手術や鎮静方法、糖尿病の状態、胃腸症状などで変わるため、一般記事の情報だけで決めません。自己判断の休薬は高血糖につながる可能性もあるため、処方医と麻酔・検査担当者の指示を確認します。

妊娠予定・妊婦・授乳中の人

妊婦、妊娠している可能性がある女性、または2か月以内に妊娠を予定する女性には投与しないこととされています。妊娠希望が生じたら、自己判断で中止・再開せず、糖尿病治療の切り替えを含め早めに相談してください。[1]

授乳中は、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討します。妊娠・授乳中の血糖管理は母体と子どもの安全に関わるため、オンラインの一般情報だけで判断せず、産婦人科と糖尿病診療の担当者へ共有します。

そのほか診察で伝えたい持病・症状

禁忌でなくても、次の病歴や症状がある場合は開始前に伝えます。状態によっては検査、用量調整、別の治療選択肢が必要です。

確認項目具体例主な理由
腎機能慢性腎臓病、透析、脱水しやすい状態嘔吐・下痢による脱水で腎機能が悪化する可能性
眼の病気糖尿病網膜症、急な視力低下や視野異常血糖改善に伴う網膜症の変化や、非動脈炎性前部虚血性視神経症の報告に注意
胆嚢・胆道胆石、胆嚢炎、胆管炎の既往胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸が重大な副作用として記載
高齢・栄養状態食事量低下、体重減少、複数薬の使用胃腸症状、低血糖、脱水の影響を受けやすい可能性

甲状腺の病気について

動物試験では甲状腺C細胞腫瘍が報告されていますが、人での関連は明らかではありません。甲状腺疾患の既往、首のしこり、声のかすれ、飲み込みにくさなどがある場合は診察で伝えてください。海外製品情報の禁忌を日本の電子添文へそのまま置き換えず、日本での添付文書と個別の診断に基づいて判断します。[1]

診察前に準備するチェックリスト

手術予定と持病をメモして診察の準備をする成人女性
病歴と薬の情報を一つにまとめ、診察時に伝え漏れを減らします。
  • 2型糖尿病の治療歴、最近のHbA1c・血糖値、低血糖の有無
  • 膵炎、胆石・胆嚢炎、重い胃腸障害、腹部手術、腸閉塞の既往
  • 腎機能、眼の病気、甲状腺疾患、アレルギー歴
  • 妊娠の可能性、妊娠希望、授乳状況
  • 予定している手術・内視鏡検査・全身麻酔・深い鎮静
  • インスリン、SU剤、DPP-4阻害薬、ほかのセマグルチド製剤を含む全ての薬
  • 市販薬、サプリメント、飲酒量、食事量、最近の体重変化

薬の名称が分からない場合は、現物、お薬手帳、薬局アプリや写真を用意します。注射薬は投与曜日と最終投与日も確認しておくと、手術・検査前の相談に役立ちます。

使用中に中止・受診を考える症状

次の症状は原因を自己診断せず、次回投与や受診時期について速やかに確認します。症状が強い、意識状態が悪い、呼吸が苦しい場合は救急受診を検討してください。

  • 持続する激しい腹痛、背中へ広がる痛み、繰り返す嘔吐
  • 高度の便秘、腹部膨満、排便・排ガスの停止
  • 冷汗、ふるえ、動悸、意識低下など強い低血糖症状
  • 黄疸、発熱を伴う右上腹部痛、灰白色便など胆道系の異常を疑う症状
  • 急な視力低下、視野の欠け、見え方の大きな変化
  • じんましん、顔・唇・舌の腫れ、呼吸困難などアレルギー症状

副作用の頻度や日常的な対処は、役割を分けたオゼンピックの副作用・対処法で確認できます。本記事は、使用開始前の禁忌・持病・併用薬の確認を中心に扱います。

まとめ

  • オゼンピックの日本での承認適応は2型糖尿病です。ダイエット目的の適応外使用を勧める記事ではありません。
  • 成分への過敏症歴、糖尿病性ケトアシドーシス等・1型糖尿病、重症感染症・手術などの緊急時は禁忌です。
  • 膵炎歴、重い胃腸障害、腸閉塞歴、低血糖リスク、妊娠予定、腎・眼・胆道の病気は診察で確認します。
  • ほかのセマグルチド製剤とは併用せず、インスリン・SU剤などとの併用では低血糖に注意します。
  • 全身麻酔・深い鎮静を予定する場合は、最終投与日と胃腸症状を処方医・麻酔担当者へ早めに伝えます。
  • 激しい腹痛、嘔吐、腹部膨満、排ガス停止、意識低下などがあれば次回予約を待たず受診します。

オゼンピックの禁忌・注意点でよくある質問

オゼンピックを使えない人は誰ですか?
日本の電子添文では、本剤成分への過敏症歴がある人、糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡または前昏睡・1型糖尿病の人、重症感染症や手術などの緊急時にある人が禁忌です。禁忌に当てはまらなくても、持病や併用薬によって慎重な判断が必要です。
膵炎になったことがある人は使えますか?
膵炎の既往は電子添文上の「特定の背景を有する患者に関する注意」です。自己判断で使用せず、膵炎の原因、現在の状態、ほかの治療選択肢を医師と確認します。持続する激しい腹痛や背中へ広がる痛み、嘔吐がある場合は、使用を中止して速やかに受診してください。
ほかの糖尿病薬と一緒に使えますか?
併用できる場合がありますが、インスリン製剤やスルホニルウレア剤などとの併用では低血糖リスクが高まるため、用量調整や自己測定を含む個別の管理が必要です。ほかのセマグルチド含有製剤とは併用しません。DPP-4阻害薬との併用については有効性と安全性が確認されていません。
妊娠を希望している場合はいつ相談しますか?
妊娠中または妊娠している可能性がある女性、2か月以内に妊娠を予定する女性には投与しないこととされています。妊娠を希望した時点で自己判断で中止・再開せず、処方医へ早めに相談してください。
手術や内視鏡検査で麻酔を受ける予定があります。どうすればよいですか?
オゼンピックは胃内容排出を遅らせることがあり、全身麻酔や深い鎮静中の胃内容物の残留・誤嚥が注意事項に追加されています。検査や手術が決まった段階で、処方医と麻酔・検査担当者の双方へ使用中であることと最終投与日を伝え、休薬の要否は医療者の指示に従ってください。
ダイエット目的でオゼンピックを使えますか?
日本で承認されたオゼンピックの効能・効果は2型糖尿病です。美容・ダイエット目的での有効性・安全性は確認されておらず、本記事は適応外使用を勧めるものではありません。体重管理の治療が必要な場合は、承認された治療選択肢を含め医師へ相談してください。

参考文献・一次資料

  1. PMDA「オゼンピック皮下注2mg 電子添文」2026年5月改訂電子添文
  2. PMDA「オゼンピック皮下注2mg 患者向医薬品ガイド」2026年5月更新患者向け公的資料
  3. PMDA「オゼンピック皮下注2mg 医療用医薬品情報」公的医薬品情報
  4. 日本糖尿病学会「GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」学会注意喚起
  5. ノボ ノルディスク ファーマ「GLP-1受容体作動薬の適正使用に関するお願い」製造販売元
この記事の医療監修体制
倉田照久医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長

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