- ✓ ジャディアンス(SGLT2阻害薬)の糖質排出ダイエット効果とは?について、皮膚科での使い方や考え方を整理しています。
- ✓ 尿から1日約200〜300kcalの糖を排出するメカニズムとは?について、効果・副作用・注意点を確認できます。
- ✓ ジャディアンスの心不全・腎機能低下抑制効果(副次的メリット)とは?について、受診や相談の目安も含めて解説しています。
ジャディアンス(SGLT2阻害薬)の糖質排出ダイエット効果とは?

ジャディアンスは、体内の余分な糖を尿として体外に排出することで血糖値を下げるSGLT2阻害薬です。この作用機序により、体重減少効果も期待できます。
SGLT2阻害薬は、腎臓の尿細管で糖の再吸収を担うSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)というタンパク質の働きを阻害します。通常、腎臓は血液中の糖をろ過した後、そのほとんどを体内に再吸収しますが、SGLT2阻害薬はこの再吸収を抑制することで、尿中に糖を排出しやすくします。その結果、血糖値が低下するだけでなく、尿として排出される糖のエネルギー分が減るため、体重減少につながることが期待されます。
当院では、2型糖尿病の患者さまから「血糖値だけでなく、体重も気になる」というご相談をよく受けます。ジャディアンスを導入された患者さまの中には、数ヶ月で体重が数キロ減少したとおっしゃる方も少なくありません。特に、食事療法や運動療法だけではなかなか体重が減少しなかった方にとって、この糖質排出によるダイエット効果は大きなモチベーションにつながるようです。
この体重減少効果は、単に見た目の変化だけでなく、インスリン抵抗性の改善にも寄与し、長期的な血糖コントロールの安定に役立つと考えられています。
尿から1日約200〜300kcalの糖を排出するメカニズムとは?
ジャディアンスが尿から糖を排出するメカニズムは、腎臓におけるSGLT2の選択的な阻害に基づいています。これにより、1日に約200〜300kcal相当の糖が体外へ排出されるとされています。
私たちの腎臓には、血液をろ過して尿を作る機能があります。この過程で、体に必要なブドウ糖は腎臓の尿細管でほぼ100%再吸収され、体内に戻されます。この再吸収の大部分を担っているのが、SGLT2というトランスポーターです。ジャディアンスはこのSGLT2に特異的に作用し、ブドウ糖の再吸収を抑制します[5]。これにより、通常では再吸収されるはずのブドウ糖が尿中に排出されるようになります。
排出される糖の量は、患者さまの血糖値や腎機能によって異なりますが、一般的には1日あたり約50~100gのブドウ糖が尿中に排泄されると報告されており、これは約200~400kcalに相当します。当院の患者さまの中には、ジャディアンス服用開始後に「以前よりも喉が渇くようになった」とおっしゃる方がいらっしゃいます。これは、尿中の糖が増えることで浸透圧利尿が起こり、水分が体外に排出されやすくなるためです。このため、十分な水分補給が重要となります。
このメカニズムにより、体内の余分な糖が減少し、血糖値が低下します。さらに、糖の排出に伴い、体内の水分も排出されるため、血圧の低下にも寄与する可能性があります。
- SGLT2阻害薬とは
- 腎臓の尿細管にあるSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)というタンパク質の働きを阻害し、血液中の余分な糖を尿と一緒に体外へ排出することで血糖値を下げる経口血糖降下薬の一種です。糖尿病治療薬として開発されましたが、心血管イベントや腎機能悪化の抑制効果も報告されています。
ジャディアンスの心不全・腎機能低下抑制効果(副次的メリット)とは?

ジャディアンスは、2型糖尿病患者の血糖コントロールだけでなく、心不全の悪化抑制や慢性腎臓病の進行抑制といった副次的なメリットが大規模臨床試験で示されています。これらの効果は、糖尿病を持たない患者に対しても一部で認められています。
SGLT2阻害薬であるジャディアンスは、血糖降下作用に加えて、心血管イベントのリスク低減効果が報告されています。特に、心不全による入院リスクの低下や、心血管死のリスク低減が複数の研究で示されています[1]。これは、糖とナトリウムの排出による体液量減少、血圧低下、心臓への負担軽減など、複数の機序が複合的に作用していると考えられています。
また、慢性腎臓病の進行抑制効果も注目されています。ジャディアンスは、2型糖尿病の有無にかかわらず、慢性腎臓病患者の腎機能悪化や末期腎不全への進行リスクを低下させることが報告されています[2][3]。当院の腎臓病を合併している糖尿病患者さまにジャディアンスを処方する際、初期の段階で「腎機能の数値が安定してきた」という声をいただくことがあります。これは、腎臓への血流動態の改善や炎症の抑制など、腎臓保護作用によるものと考えられています。これらの効果は、糖尿病治療の枠を超え、心腎連関(心臓と腎臓の相互作用)の観点からも非常に重要視されています。
これらの副次的メリットにより、ジャディアンスは単なる血糖降下薬ではなく、心血管病や腎臓病のリスクを抱える患者さまにとって、包括的な治療選択肢の一つとして位置づけられています。
ジャディアンスの飲み方と飲むタイミング(朝食前か朝食後)は?
ジャディアンスの服用方法は、効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑える上で重要です。適切なタイミングで服用することが推奨されています。
ジャディアンスは、通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回経口投与します[6]。効果不十分な場合には、25mgまで増量できるとされています。重要なのは、1日1回、朝食前または朝食後に服用することです。食事の影響を受けにくいため、患者さまのライフスタイルに合わせて、朝の都合の良いタイミングで服用できるのが特徴です。
当院では、患者さまに服用タイミングについて説明する際、「朝食を摂る習慣がある方は食後に、朝食を抜くことが多い方は食前に服用してください」とお伝えしています。大切なのは、毎日同じ時間帯に服用を継続することです。飲み忘れを防ぐために、歯磨きや洗顔など、毎日のルーティンと合わせて服用するようアドバイスすることもあります。
飲み忘れてしまった場合は、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用し、次の服用からは通常の時間に戻してください。ただし、次に服用する時間が近い場合は、忘れた分は服用せず、1回分を飛ばして次の服用時間から再開してください。決して2回分を一度に服用しないように注意が必要です。
また、服用量や服用タイミングは、患者さまの病状や他の薬剤との併用状況によって医師が判断しますので、必ず医師の指示に従ってください。
ジャディアンスの効果・副作用とは?

ジャディアンスは優れた効果を示す一方で、いくつかの副作用も報告されています。効果と副作用を理解し、適切に対処することが安全な治療には不可欠です。
ジャディアンスの主な効果
- 血糖降下作用: 尿から糖を排出することで、血糖値を効果的に下げます。HbA1cの改善が期待できます[4]。
- 体重減少効果: 糖の排出に伴い、カロリー摂取量が実質的に減るため、体重減少につながることがあります。
- 心血管イベント抑制効果: 心不全による入院や心血管死のリスクを低減することが示されています[1]。
- 腎機能保護作用: 慢性腎臓病の進行を抑制し、末期腎不全への移行リスクを低減する効果が報告されています[2]。
- 血圧低下作用: 糖とナトリウムの排出により、軽度の血圧低下も期待できます。
ジャディアンスの主な副作用
ジャディアンスの主な副作用は、その作用機序に関連するものが多く見られます[6]。
- 性器感染症・尿路感染症: 尿中に糖が増えるため、細菌が繁殖しやすくなり、性器カンジダ症や膀胱炎などの感染症のリスクが高まることがあります。特に女性に多く見られます。当院では、服用開始時に「デリケートゾーンの清潔を保つこと」や「排尿後の拭き方に注意すること」など、具体的な衛生指導を徹底しています。
- 脱水・口渇: 糖の排出に伴い水分も排出されるため、脱水症状や口の渇きを感じることがあります。十分な水分補給が重要です。
- 頻尿: 尿量が増えるため、トイレに行く回数が増えることがあります。
- 低血糖: 単独で服用している場合は低血糖のリスクは低いですが、他の血糖降下薬(特にインスリンやSU薬)と併用している場合は注意が必要です。
- ケトアシドーシス: 稀ですが、インスリン分泌が極端に少ない患者さまや、シックデイ(体調不良時)に重篤なケトアシドーシスを発症するリスクが報告されています。異常を感じたらすぐに医療機関を受診することが重要です。
ジャディアンスを服用中に体調の変化や気になる症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、速やかに医師や薬剤師に相談してください。特に、感染症の兆候や重度の脱水症状、ケトアシドーシスの症状(吐き気、腹痛、呼吸困難など)には注意が必要です。
処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、患者さまが治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。特に感染症のリスクについては、日頃のケアについて再確認し、必要に応じて早期の対応を促しています。
まとめ
ジャディアンス(エンパグリフロジン)は、2型糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬の一つです。その主な作用は、腎臓から糖を尿として排出することで血糖値を下げることにあります。この作用により、体重減少効果も期待できる点が特徴です。さらに、心不全による入院リスクの低減や、慢性腎臓病の進行抑制といった心臓・腎臓保護作用も大規模臨床試験で示されており、糖尿病患者さまだけでなく、心腎疾患を合併する患者さまにとっても重要な治療選択肢となり得ます。
服用は1日1回、朝食前または朝食後に行い、患者さまのライフスタイルに合わせて継続しやすいタイミングを選ぶことが大切です。主な副作用としては、性器・尿路感染症、脱水、頻尿などが挙げられますが、これらは適切な衛生管理や水分補給でリスクを低減できます。稀に重篤な副作用としてケトアシドーシスが報告されているため、体調の変化には注意し、異常を感じた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。ジャディアンスの服用は、医師の適切な診断と指導のもとで行うことで、その効果を安全に最大限に引き出すことができます。
よくある質問(FAQ)
- Rajiv Agarwal, Jennifer B Green, Hiddo J L Heerspink et al.. COmbinatioN effect of FInerenone anD EmpaglifloziN in participants with chronic kidney disease and type 2 diabetes using a UACR Endpoint (CONFIDENCE) trial: baseline clinical characteristics.. Nephrology, dialysis, transplantation : official publication of the European Dialysis and Transplant Association – European Renal Association. 2025. PMID: 39916475. DOI: 10.1093/ndt/gfaf022
- Beatriz Fernández-Fernandez, Pantelis Sarafidis, Maria José Soler et al.. EMPA-KIDNEY: expanding the range of kidney protection by SGLT2 inhibitors.. Clinical kidney journal. 2024. PMID: 37529652. DOI: 10.1093/ckj/sfad082
- . Design, recruitment, and baseline characteristics of the EMPA-KIDNEY trial.. Nephrology, dialysis, transplantation : official publication of the European Dialysis and Transplant Association – European Renal Association. 2022. PMID: 35238940. DOI: 10.1093/ndt/gfac040
- Yun Kyung Cho, Jae-Hyoung Cho, Sang-Mo Hong et al.. Efficacy and safety of pioglitazone, empagliflozin and glimepiride as third-line agents in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin and DPP-4 inhibitors: A multicentre, phase 4 randomized controlled trial.. Diabetes, obesity & metabolism. 2025. PMID: 40808546. DOI: 10.1111/dom.70030
- ジャディアンス(ジャディアンス)添付文書(JAPIC)
- ジャディアンス(エンパグリフロジン)添付文書(JAPIC)