アダパレンの効果・副作用 – 東京オンラインクリニック

アダパレンの効果・副作用

薬名: アダパレン
読了時間: 約1分

アダパレンとは?

アダパレン(一般名:Adapalene)は、尋常性ざ瘡(ニキビ)治療に使用される外用薬で、レチノイド(ビタミンA誘導体)に分類されます。皮膚の角化異常を改善し、毛穴の詰まりを防ぐことで、新たなニキビの発生を抑える効果があります。特に白ニキビ(コメド)を減少させ、炎症性ニキビへの進行を防ぐことに優れています。

アダパレンは、現在ディフェリンゲル(0.1%)として国内で販売されており、第一選択薬として広く処方されています。海外では、過酸化ベンゾイル(BPO)との配合剤であるエピデュオゲルも使用されています。

アダパレンの効果と特徴

角質の正常化とニキビの予防

アダパレンは、皮膚表面の角化異常を改善し、毛穴の詰まりを防ぎます。角質細胞のターンオーバーを促進することで、皮脂の過剰分泌を抑え、ニキビの発生を予防します。

抗炎症作用による赤ニキビの抑制

アダパレンには抗炎症作用もあり、赤く腫れた炎症性ニキビの悪化を防ぐ効果があります。特に、アクネ菌による炎症を抑えることで、ニキビの治りを早めることができます。

抗菌薬に頼らないニキビ治療

アダパレンは、抗菌薬ではないため、耐性菌の問題がありません。そのため、抗生物質が効かなくなった患者や長期治療が必要な場合に適した治療薬です。

海外の研究で確認された効果

海外の臨床試験では、アダパレン0.1%ゲルは抗菌薬外用剤と同等の効果があることが示されています。また、長期間の使用によりニキビの再発率が低下することが報告されています。

アダパレンの使用方法

塗布のタイミングと頻度

  • 1日1回、洗顔後の清潔な肌に薄く塗布します(夜の使用が推奨)。
  • 化粧水や乳液は塗布後に使用し、乾燥を防ぐことが大切です。

使用時の注意点

  • アダパレンは目や唇、粘膜には使用しないように注意してください。
  • 皮膚が乾燥しやすくなるため、保湿をしっかり行うことが重要です。
  • 紫外線に敏感になるため、日焼け止めの使用が推奨されます。

効果が現れるまでの期間

  • 使用開始後4~8週間で効果が現れ始めるため、即効性はありません。
  • 長期間使用することで、ニキビの発生を抑える効果が持続します。

アダパレンの副作用と注意点

よくある副作用

  • 皮膚の赤み(紅斑)
  • 皮膚の乾燥・落屑(皮むけ)
  • ヒリヒリ感(刺激症状)

→特に使用開始後1~2週間で起こりやすく、その後徐々に軽減します。

副作用を抑えるポイント

  • 乾燥を防ぐため、保湿剤を併用する。
  • 皮膚が敏感な場合は2~3日に1回から開始し、徐々に増やす。
  • 紫外線対策として日焼け止めを使用する。

アダパレンが使用できない方

以下の方は使用を控える必要があります。

  • 妊娠中・妊娠の可能性がある方(催奇形性のリスクあり)
  • 授乳中の方(乳児への影響が不明)
  • 皮膚にひどい炎症や傷がある方

妊娠中の使用に関しては、安全性が確立されていないため、医師と相談の上で使用を検討してください。

アダパレンと他のニキビ治療薬の比較

薬剤名有効成分主な作用適応主な副作用
アダパレンアダパレン角質剥離・抗炎症白ニキビ・赤ニキビ皮膚の乾燥・刺激
過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)過酸化ベンゾイル抗菌・角質剥離炎症性ニキビ皮膚の乾燥・刺激
クリンダマイシン(ダラシンTゲル)クリンダマイシン抗菌作用赤ニキビ耐性菌リスク
イソトレチノイン(海外薬)イソトレチノイン皮脂抑制重症ニキビ口唇炎・催奇形性

アダパレンは、ニキビ治療の第一選択薬として推奨されることが多く、特に初期段階のニキビ(白ニキビ)に有効です。

臨床成績

国内第Ⅲ相臨床試験(短期試験)

尋常性ざ瘡患者を対象に、1日1回就寝前に患部を洗浄後、顔全体に12週間塗布する試験を実施しました。本試験では、アダパレンゲルの効果を基剤(プラセボ)と比較し、有効性と安全性を評価しました。

評価項目アダパレン群(100例)基剤群(100例)P値
総皮疹数の減少率(中央値)63.2%36.9%p<0.0001

試験結果から、アダパレン群は基剤群と比較して統計的に有意に皮疹数の減少が認められ、ニキビ治療に対して高い有効性があることが証明されました。

副作用発現率は56.0%(56/100例)で、以下のような皮膚の刺激症状が報告されました。

副作用の種類発現率
皮膚乾燥37.0%(37/100例)
皮膚剥脱(皮むけ)18.0%(18/100例)
皮膚不快感(ヒリヒリ感)16.0%(16/100例)
紅斑(赤み)8.0%(8/100例)
そう痒症(かゆみ)5.0%(5/100例)
皮膚刺激4.0%(4/100例)

国内第Ⅲ相臨床試験(長期試験)

尋常性ざ瘡患者444例を対象に、アダパレンゲルを1日1回、就寝前に洗顔後、顔全体に最長12ヶ月間塗布する長期安全性試験が実施されました。

評価項目皮疹数の減少率(中央値)
総皮疹数77.8%
非炎症性皮疹(白ニキビ)83.3%
炎症性皮疹(赤ニキビ)73.3%

副作用発現率は84.0%(373/444例)と高いものの、大半は軽度~中等度の皮膚刺激症状でした。

主な副作用発現率
皮膚乾燥60.4%(268/444例)
皮膚不快感(ヒリヒリ感)54.7%(243/444例)

臨床試験結果のポイント

  • 短期試験では、12週間の使用で皮疹数が63.2%減少し、プラセボと比較して有意な効果が認められた。
  • 長期試験では、最長12ヶ月の使用で皮疹数が77.8%減少し、特に白ニキビ(コメド)の減少率が83.3%と高かった。
  • 副作用として皮膚乾燥やヒリヒリ感が報告されているが、多くは軽度であり、使用継続で改善することが多い。
  • 効果を実感するまで4~8週間かかるため、長期的な継続使用が推奨される。

アダパレンは、ニキビ治療の第一選択薬として非常に有効であり、正しく使用することで長期的な改善が期待できることが臨床試験で確認されています。

まとめ:アダパレンの特徴と正しい使い方

  • ニキビの発生を抑え、炎症を抑える効果がある。
  • 使用開始直後は皮膚刺激が出るが、2週間程度で落ち着く。
  • 長期使用することで、ニキビの再発予防効果が期待できる。
  • 保湿と紫外線対策を併用すると、副作用を軽減できる。

アダパレンは、正しく使えば非常に効果的なニキビ治療薬です。使用方法を守り、継続して使用することで、より高い治療効果を得ることができます。

参考文献

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