シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)を配合した複合ビタミン薬です。
シミの原因となるメラニンの合成を阻害する効果があるため、美容内服薬として処方されることが多いお薬です。
シナール配合錠とシナール配合顆粒の違い
シナールには「シナール配合錠」と「シナール配合顆粒」の2つがありますが、これらはお薬の形がタブレット型か粉末かの違いしかありません。成分や効果に違いはないのでご安心ください。
※当院ではシナール配合錠を取り扱っております。
シナール配合錠の有効成分・効果
シナールの有効成分はアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)です。これらに期待される効果については下記の表をご覧ください。
有効成分 | アスコルビン酸(ビタミンC) | パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) |
---|---|---|
期待される効果 | メラニン色素の生成を抑える 抗酸化作用による皮膚細胞の保護 コラーゲンの生成促進 | 糖質、脂質、たんぱく質の代謝促進 アスコルビン酸の吸収促進 |
パントテン酸カルシウムがアスコルビン酸の働きを高めるため、他のビタミン剤と比較して高い効果が期待できます。
アスコルビン酸は皮膚の色素沈着を緩和するため、シミ、そばかす、日焼け、かぶれなどの肌トラブルにお悩みの方には非常におすすめです。
また、抗酸化作用によって皮膚細胞が整えられることからニキビ予防効果もあり、コラーゲンの生成も促進するため肌質の改善効果も期待できます。
シナール市販薬との成分差について
下記は1錠あたりの成分量を比較した表です。
販売名 | ビタミンC※ | パントテン酸カルシウム | L-システイン | リボフラビン酪酸エステル | 酢酸d-α-トコフェロール | |
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処方薬 | シナール配合錠 | 200mg | 3mg | ― | ― | ― |
市販薬 | シナールEX チュアブル錠e | 166.6mg | ― | ― | 1mg | 2.5mg |
シナールEX pro チュアブル錠 | 166.6mg | 2.5mg | ― | 1mg | 2.5mg | |
シナールLホワイト2 | 166.6mg | 4mg | 40mg | ― | ― |
市販薬に比べて処方薬は主成分の量が多くなっているのがわかります。
市販薬では12錠でビタミンC2000mgと表記されていることがあり、一見すると処方薬よりも主要成分が多く配合されているように見えるため検討時には注意してください。
〈参考〉シオノギヘルスケア公式
シナールは継続的な服用で効果を発揮する
シナールにはメラニン色素の生成を抑える働きがありますが、すぐに美白効果が感じられるような即効性はありません。すでにあるシミを徐々に薄くする、将来のシミを予防するという観点で継続的に服用することが大切です。少なくとも1ヶ月は飲み続けるようにしましょう。
また、肌のターンオーバーによって徐々に美白効果を得ることができるため、ターンオーバー周期が乱れないようにすることも重要です。
ノイロビタンやビタノイリン、ビタメジンといったビタミンB群を効率的に摂取できるお薬も併せて服用することで肌の状態を常に健康に保つことができます。
当院でも「パーフェクト美肌セット」として他のお薬とセットで処方しておりますので、ご相談ください。
シナールの副作用
シナールに配合されている成分はもともと体内に存在するため、安全性の高いお薬です。重大な副作用の報告は過去にありません。
報告されている副作用の例としては、胃不快感、悪心・嘔吐、下痢等があります。
シナールは体外へ排出されるのも早いため、長時間にわたって副作用が続くこともまれです。
過去にビタミン剤を服用して過敏症などを起こしたことがある場合は医師・薬剤師に相談の上で服用するようにしてください。
シナールで白髪が増えるという医学的根拠はない
シナールの副作用を調べていると「白髪が増える」という情報に触れることがありますが、そのような医学的根拠、研究結果・データはありません。
シナールを服用することでメラニンの生成が抑制されるという情報と、白髪が頭皮のメラニンが生成されないことが原因であるという情報が混在しているものと思われます。
尿検査時の注意
シナールに配合されているアスコルビン酸(ビタミンC)には強い還元作用があり、その影響でブドウ糖、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩が偽陰性になることがあります。
特に長期間継続的に服用している場合は尿中のビタミンCが高濃度になっており検査結果に影響が出やすいため、検査前にシナールを内服していることを申告するようにしてください。
シナールは保険適用になるか?
結論、シナールが保険適用になる処方目的は下記2つです。
- 妊娠中にビタミンの不足が認められる場合
- 炎症後色素沈着の予防がを必要とする場合
炎症後色素沈着は、火傷やすり傷、手術後の傷跡など外傷のあとにその部分がシミになってしまうものです。この予防に関しては皮膚科などで診察のうえ、保険適用でシナールを処方してもらうことができます。
上記のような治療目的ではなく、美容目的での処方の場合は自費診療となります。
まとめ
シナールはアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)を配合した複合ビタミン薬で、シミの改善やツヤ・ハリのある肌質への変化が期待できるお薬です。即効性はなく継続して服用することで効果を感じられます。
当院でもシナール配合錠はお取り扱いしているため、お気軽にご相談ください。初診再診無料となっております。