スリンダ錠28とは?効果・副作用・飲み方・飲み忘れ対応
- スリンダ錠28は、ドロスピレノン4mgだけを有効成分とする、エストロゲンを含まない処方箋医薬品の経口避妊剤です。
- 白色の実薬24錠と淡黄色のプラセボ4錠を、1日1錠、毎日一定の時刻に28日間続けて服用します。
- 白色錠の飲み忘れは日数によって対応が異なります。自己判断で錠数を調整せず、添付文書と処方医の指示を確認してください。
- 腎・肝機能、妊娠の可能性、併用薬などによって服用できない場合や、検査・経過観察が必要な場合があります。
スリンダ錠28は、ドロスピレノン4mgを有効成分とする経口避妊剤です。日本の添付文書に記載された効能・効果は「避妊」で、医師の処方箋により使用します。効果だけでなく、28日間の飲み方、飲み忘れ時の対応、副作用、禁忌、併用薬まで理解しておくことが大切です。[1]
この記事はPMDAの電子添文を主な根拠とし、国内外の臨床試験を補助資料として解説します。東京オンラインクリニックでの取扱い、処方可否、販売価格を案内する記事ではありません。受診先の最新情報を事前に確認してください。
スリンダ錠28とは?成分と避妊の仕組み

スリンダ錠28は、白色の実薬24錠と淡黄色のプラセボ4錠で構成されます。白色錠1錠にはドロスピレノン4mgが含まれ、淡黄色錠には有効成分が含まれません。2025年6月に日本で販売が始まった処方箋医薬品です。[1][2]
| 確認項目 | スリンダ錠28の基本情報 |
|---|---|
| 有効成分 | ドロスピレノン4mg |
| 1シート | 白色の実薬24錠+淡黄色のプラセボ4錠 |
| 効能・効果 | 避妊 |
| 製剤の区分 | エストロゲンを含まない経口避妊剤・処方箋医薬品 |
有効成分のドロスピレノンは、排卵を抑える作用に加え、子宮内膜を薄く保つ作用や、子宮頸管粘液の性状を変えて精子が通りにくくなるようにする作用によって避妊効果を示します。ドロスピレノンには抗ミネラルコルチコイド作用と弱い抗アンドロゲン作用もあります。[1]
スリンダを含む経口避妊剤は、HIV感染、梅毒、淋病、クラミジア感染症などの性感染症を防ぐ薬ではありません。性感染症の予防にはコンドームの使用が必要です。[1]
スリンダ錠28の避妊効果はどの程度?
国内第III相試験では、避妊を希望する女性276例について、最長13周期まで有効性と安全性が評価されました。曝露3319周期で妊娠は1例、全般パール指数は0.3917(95%信頼区間0.0099〜2.1823)でした。パール指数は100人の女性が1年間使用した場合の妊娠数を表す指標ですが、この結果は定められた試験条件下における集団の数値であり、個人の妊娠確率を保証するものではありません。[1][3]
電子添文には、経口避妊剤全般の使用開始1年間の失敗率として、正しく継続して使用した場合は0.3%、飲み忘れなどを含む一般的な使用では7%という参考値も示されています。これはスリンダ単独の臨床試験値とは別の一般データです。毎日一定の時刻に服用し、飲み忘れ時の指示を守ることが、効果を保つうえで重要です。[1]
海外でもドロスピレノン4mg単剤の第III相試験が行われていますが、参加者の背景や試験方法が異なるため、国内試験と数字を単純に比較することはできません。海外試験は補助的な根拠として位置づけるのが適切です。[4][5]
スリンダ錠28の飲み方と開始時期

基本の服用方法
- シートの白色錠から開始します。
- 1日1錠を毎日一定の時刻に、シートに示された順番で服用します。
- 白色錠24錠に続けて淡黄色錠4錠を服用し、合計28日間、間を空けずに続けます。
- 29日目は前のシートから間隔を空けず、次のシートの白色錠から開始します。
初めて経口避妊剤を服用する場合は、月経第1日目から開始します。月経第1日目より開始が遅れた場合は、最初の1週間、コンドームなど他の避妊法を併用します。どの日を「月経第1日目」とするか迷う場合や、妊娠の可能性がある場合は、服用を始める前に処方医へ確認してください。[1]
他の経口避妊剤や子宮内避妊具から切り替える場合
他の経口避妊剤から切り替える場合、電子添文では、切り替え前の製剤で有効成分を含む錠剤をすべて服用した翌日からスリンダを開始します。子宮内避妊具または子宮内避妊システムから切り替える場合は、抜去した日から開始します。切り替えの時期がずれると妊娠の可能性が高くなることがあるため、製剤名と最後に服用した日、抜去日を処方医へ伝えてください。[1]
スリンダ錠28を飲み忘れたときの対応
飲み忘れの対応は、淡黄色のプラセボではなく、有効成分を含む白色錠について示されたものです。いつ、何錠を飲み忘れたかで対応が変わります。自己判断でまとめて服用したり、中止・再開の時期を変えたりしないでください。[1]
| 白色錠の飲み忘れ | 電子添文に基づく対応 | 他の避妊法 |
|---|---|---|
| 翌日までに気づいた | 気づいた時点で飲み忘れた錠剤を服用し、その日の錠剤も通常どおり服用します。 | 処方時の指示も確認してください。 |
| 2日連続で忘れた | 気づいた時点で飲み忘れた錠剤を1錠服用し、その日の錠剤も通常どおり服用します。 | その周期はコンドームなど他の避妊法を使用します。 |
| 3日以上連続で忘れた | 服用を中止し、次の月経を待って新しいシートから再開します。 | その周期はコンドームなど他の避妊法を使用します。 |
淡黄色錠を飲み忘れた場合や、シートのどの位置で忘れたか判断できない場合も、手元の薬を確認したうえで医師または薬剤師へ相談してください。研究では予定時刻からの遅れと排卵抑制の関係も検討されていますが、研究条件の結果を理由に、日本の電子添文に記載された飲み忘れ対応を変更してはいけません。[1][6]
服用中に激しい下痢や嘔吐が続くと、有効成分が十分に吸収されない可能性があります。電子添文では、その周期は他の避妊法を併用するよう示されています。服用後すぐに嘔吐した場合や症状が続く場合は、追加服用を自己判断せず医師・薬剤師へ確認してください。[1]
スリンダとヤーズ・ドロエチの違い
スリンダ、ヤーズ、ドロエチはいずれもドロスピレノンを含みますが、同じ薬ではありません。スリンダはドロスピレノン単剤で、ヤーズやドロエチはドロスピレノンとエチニルエストラジオールを組み合わせた配合剤です。成分構成だけでなく、効能・効果、用量、禁忌、保険適用の扱いも製品ごとに異なります。
| 比較項目 | スリンダ錠28 | ヤーズ・ドロエチなど |
|---|---|---|
| ホルモン構成 | ドロスピレノン単剤 | ドロスピレノン+エチニルエストラジオール |
| スリンダの実薬 | ドロスピレノン4mgを24錠 | 製品ごとに成分量と錠数が異なります |
| 日本での主な確認点 | 効能・効果は避妊 | 製品ごとの効能・効果、保険適用、用法を確認 |
個別の製剤情報は、ヤーズの効果・副作用、ドロエチの効果・副作用・飲み方も参照してください。どの製剤が適するかは、年齢、喫煙、既往歴、腎・肝機能、併用薬、使用目的などを確認して医師が判断します。
スリンダ錠28の主な副作用
国内第III相試験では、副作用として月経中間期出血89.49%、頭痛16.30%、下腹部痛13.04%、腹痛12.32%、重度月経出血11.59%などが報告されました。電子添文の集計区分では、異常性器出血89.9%、月経異常14.9%なども記載されています。これらは特定の臨床試験に参加した集団での発現頻度であり、すべての人に同じ症状が起こるという意味ではありません。[1][3]
服用開始後は出血パターンが変化することがあります。ただし、不正性器出血が長く続く場合は、別の病気による出血でないか確認が必要です。出血量が多い、急に悪化した、強い腹痛や体調不良を伴う、妊娠の可能性がある、判断に迷うといった場合は、服用を続けるか自己判断せず医療機関へ相談してください。
消退出血が2周期連続してみられない場合は、妊娠していないことを確認します。予定どおり服用できていない周期や、下痢・嘔吐が続いた周期は、特に処方医へ経過を伝えることが重要です。[1]
服用できない人・注意が必要な人
服用できない主なケース
電子添文では、次のような場合を禁忌としています。該当する可能性がある場合は、服用を始めずに医師へ申告してください。[1]
- スリンダの成分に対して過敏性素因がある
- 乳癌または生殖器癌がある、またはその疑いがある
- 診断が確定していない異常性器出血がある
- 重篤な腎障害または急性腎障害がある
- 重篤な肝障害がある
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある
個別の注意や経過観察が必要なケース
骨成長が終了していない可能性がある人、乳癌の既往がある人、うつ病またはその既往がある人、活動性の静脈血栓塞栓症がある人、腎機能・肝機能に障害がある人、授乳中の人などでは、状態に応じた判断が必要です。活動性の静脈血栓塞栓症がある場合は、その治療を優先します。授乳中は母乳への移行も踏まえ、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討します。[1]
併用薬と高カリウム血症の注意
服用中の処方薬、市販薬、サプリメント、健康食品は、処方前にすべて医師・薬剤師へ伝えてください。ドロスピレノンの作用が弱くなったり、血中濃度が上がったり、血清カリウム値に影響したりする組み合わせがあります。[1]
| 注意の種類 | 電子添文に記載された主な例 | 起こり得る影響 |
|---|---|---|
| 効果を弱める可能性 | リファンピシン、バルビツール酸系製剤、フェニトイン、カルバマゼピン、ボセンタン、モダフィニル、トピラマート、ネビラピン、セント・ジョーンズ・ワート含有食品など | ドロスピレノンの代謝が促進され、避妊効果が弱まる可能性 |
| 血中濃度を上げる可能性 | フルコナゾール、ボリコナゾール、HIVプロテアーゼ阻害薬など | ドロスピレノンの作用が強まる可能性 |
| 高カリウム血症に注意 | ACE阻害薬、ARB、カリウム保持性利尿薬、カリウム製剤、ヘパリン、アルドステロン拮抗薬、NSAIDs、シクロスポリンなど | 血清カリウム値が上昇する可能性 |
ここに挙げていない薬でも相互作用することがあります。服用中の薬を自己判断で中止せず、薬の名前と用量を処方医へ伝え、必要に応じて検査や避妊法の追加について指示を受けてください。
処方前に確認したいことと費用

スリンダ錠28は処方箋医薬品です。処方前には、月経と妊娠の可能性、乳房・腹部の状態、既往歴、腎・肝機能、血栓塞栓症やうつ病の有無、授乳の状況、服用中の薬やサプリメントなどを確認します。確認事項を伝え漏らさないよう、お薬手帳や服用中の商品の写真を準備しておくと相談しやすくなります。
電子添文では、子宮・卵巣を中心とした検査を少なくとも年1回行い、子宮頸部細胞診や乳房検診も考慮するよう示されています。妊娠の有無や出血の原因を確認するため、対面での診察・検査が必要になることもあります。[1]
電子添文上、スリンダ錠28は薬価基準未収載で、保険給付の対象ではありません。実際の薬剤費、診察料、送料、取扱い状況は医療機関ごとに異なります。オンライン診療の一般的な流れや注意点はピルのオンライン診療・処方で確認できますが、このリンクはスリンダの取扱いを示すものではありません。
まとめ
スリンダ錠28は、ドロスピレノン4mg単剤の経口避妊剤です。白色の実薬24錠と淡黄色のプラセボ4錠を、1日1錠、毎日一定の時刻に服用します。白色錠の飲み忘れは日数によって対応が異なり、2日連続または3日以上連続の場合は、その周期に他の避妊法が必要です。副作用、禁忌、腎・肝機能、併用薬、高カリウム血症の可能性まで確認し、処方医の指示に沿って使用してください。
スリンダ錠28のよくある質問
スリンダ錠28は何の薬ですか?
実薬とプラセボは何色ですか?
生理痛や月経困難症の治療薬ですか?
他のピルから切り替えるときはいつ始めますか?
授乳中でも服用できますか?
性感染症も予防できますか?
参考文献
- PMDA「スリンダ錠28」電子添文・患者向医薬品ガイド
- あすか製薬「経口避妊剤 スリンダ錠28 新発売のお知らせ」
- Osuga Y, et al. Drospirenone-only pill in Japanese women: phase III study. 2025.
- Kimble T, et al. Drospirenone 4 mg 24/4 regimen: phase 3 trial. Contracept X. 2020.
- Palacios S, et al. Multicenter phase III trials of a drospirenone-only pill. Acta Obstet Gynecol Scand. 2019.
- Duijkers IJM, et al. Ovulation inhibition after scheduled 24-hour delays. Contraception. 2016.
この記事の医療監修体制
東京オンラインクリニックの公開済み医療監修体制に基づき確認しています。
医師:倉田照久、吉井恭平、丸岩裕磨、高他大暉、吉田春生、岩本英里、樋口泰亮、中澤良太、實森弓人、堀江祐以
薬剤師:佐藤義朗