バルデナフィルとは
バルデナフィルは、レビトラのジェネリック医薬品として販売されているED(勃起不全)治療薬です。レビトラと同様にPDE5阻害薬に分類され、主成分はバルデナフィルです。成分や効果に違いはなく、レビトラと同様に勃起を補助する作用を持っていますが、ジェネリック医薬品であるため、比較的安価で入手しやすい点が特徴です。経済的負担を軽減しながら、ED治療を継続したい患者にとって有力な選択肢となります。
当院でも患者さまのご負担を最小限にするために、バルデナフィルを採用しています。
先発品のレビトラについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
レビトラの生産停止について
ドイツの工場での安定的な生産と供給が出来ないという理由で、2021年10月にバイエル社がレビトラ錠の販売中止を発表しました。そのため、現在国内では先発品の正規レビトラ錠を販売しているクリニックはなく、全てジェネリック(後発品)による販売となっています。当院では現在、国内レビトラジェネリックを採用していて海外製は取り扱っておりません。
バルデナフィルの効果
バルデナフィルはレビトラと同じく、陰茎海綿体に存在するPDE5(ホスホジエステラーゼ5)を選択的に阻害し、cGMP(サイクリックグアノシン一リン酸)を増加させます。これにより、性的刺激があった際に血流が促進され、勃起をサポートします。バルデナフィル自体には性欲を高める効果はないため、性的刺激がない場合は勃起は起こりません。
バイアグラの改良版のような薬として広く使用されています。
効果発現までの時間
バルデナフィルは、服用後およそ30分で効果が現れ始めます。レビトラと同様に食事の影響をほとんど受けないため、性行為のタイミングを気にせずに使用できる利点があります。これにより、より自然な形での使用が可能です。
効果持続時間
バルデナフィルの効果は、およそ4〜5時間持続します。これはレビトラと同様の持続時間であり、短時間の使用に適しています。必要に応じて性行為の前に服用することで、効果的に勃起不全の症状を管理できます。
バルデナフィルの利点とジェネリック医薬品の特性
バルデナフィルは、レビトラと同じ成分を含みながらも、ジェネリック医薬品として発売されているため、価格が比較的安価です。これは、特許が切れた後に複数の製薬会社によって製造・販売されていることによります。ジェネリック医薬品は、同じ有効成分と効果を持ちながらも、薬価が低いという利点があり、長期間にわたる治療を経済的に続けやすいという大きなメリットがあります。
バルデナフィルの用法用量
通常、バルデナフィルはレビトラと同様に、10mgを性行為の約1時間前に服用します。効果や副作用に応じて5mgまたは20mgに調整が可能です。肝機能障害や腎機能障害を持つ患者、高齢者には5mgから開始することが推奨されます。1日の投与回数は1回までとし、次の服用まで24時間以上の間隔をあける必要があります。
バルデナフィル服用時の注意点
バルデナフィルは、食事の影響を受けにくい薬剤ですが、脂質の多い食事やグレープフルーツジュースの摂取は避けるようにしましょう。これらは薬剤の吸収に影響を与える可能性があり、効果が十分に発揮されない場合があります。また、適度なアルコールであれば問題はありませんが、過剰な飲酒は効果を弱める可能性があるため、注意が必要です。
副作用
バルデナフィルの主な副作用は、ほてり、頭痛、鼻づまり、消化不良、めまいなどです。これらの症状は通常、軽度で一時的なものですが、持続する場合や重篤な副作用が見られた場合には、速やかに医師に相談する必要があります。
バルデナフィルを服用できない方
以下の患者は、バルデナフィルの服用を避けるべきです。
- 硝酸剤や一酸化窒素供与剤を服用中の方
- 心血管系疾患を抱え、性行為がリスクとなる方
- 重度の肝機能障害や低血圧の方
- 最近6ヶ月以内に脳梗塞や心筋梗塞を発症した方
- 網膜色素変性症の方
バルデナフィルの慎重投与が必要な方
持続勃起症の素因を持つ患者、重度の腎障害のある患者、PDE5阻害薬をすでに使用している患者は、慎重に投与する必要があります。また、出血性疾患や消化性潰瘍がある方にも注意が必要です。
バルデナフィルの最新研究と安全性
バルデナフィルに関する臨床研究は進行中であり、その安全性と有効性はレビトラと同様に確認されています。特に高齢者や慢性疾患を持つ患者にも安全に使用できることが報告されており、レビトラと同じ効果をもつジェネリック医薬品として、多くの患者にとって手頃な選択肢を提供しています。
参考文献
- 日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版」」
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