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AGAと男性ホルモンの関係について専門医が解説。テストステロンが高いと薄毛になるという誤解を解き、真の原因であるDHTのメカニズムを説明します。効果的な治療法やオンライン診療の利便性、処方の流れ、料金プラン、対面診療との使い分けまで詳しくご紹介。
- ✓ AGAは男性ホルモンの一種であるDHTが主な原因で、テストステロン自体が高いから薄毛になるわけではありません。
- ✓ 遺伝的要因やDHTへの感受性がAGAの発症に大きく関与しており、適切な治療で進行を抑制できます。
- ✓ オンライン診療はAGA治療を検討する上で、時間や場所の制約を受けずに専門医の診察を受けられる便利な選択肢です。
AGA(男性型脱毛症)と男性ホルモンの関係について、「テストステロンが高いと薄毛になる」という誤解をよく耳にします。しかし、これは正確ではありません。AGAの主な原因は、テストステロンそのものではなく、テストステロンが変換されて生成される「ジヒドロテストステロン(DHT)」という別の男性ホルモンです。ここでは、AGAと男性ホルモンの複雑な関係性、そしてその治療法について詳しく解説します。
AGAとは?男性ホルモンとの関係を正しく理解する

AGAは、成人男性に多く見られる進行性の脱毛症であり、思春期以降に発症し、額の生え際や頭頂部の髪が薄くなるのが特徴です。この脱毛症の進行には、男性ホルモンが深く関わっています。
テストステロンが高いと薄毛になるというのは本当ですか?
テストステロンが高いからといって、必ずしも薄毛になるわけではありません。AGAの原因となるのは、テストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることです。DHTが毛乳頭細胞にあるアンドロゲン受容体と結合すると、毛母細胞の働きが抑制され、髪の成長期が短縮されます。これにより、髪が十分に成長せず、細く短い状態で抜け落ちるため、薄毛が進行します。
つまり、薄毛の進行にはテストステロンの量だけでなく、5αリダクターゼの活性度や、毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体の感受性が大きく影響します。これらの要因は遺伝によって決まることが多く、当院では「父や祖父も薄毛なので、自分もAGAではないか」と心配される患者さまが多くいらっしゃいます。実際に、遺伝的要因はAGA発症の約80%を占めるとされています[3]。
- ジヒドロテストステロン(DHT)
- テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されることで生成される、より強力な男性ホルモン。AGAの主な原因物質であり、毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体と結合することで、毛髪の成長サイクルを乱し、脱毛を促進します。
AGAの進行メカニズム:なぜ髪は薄くなるのか?
AGAの進行は、毛周期(ヘアサイクル)の乱れによって引き起こされます。健康な髪の毛は、成長期、退行期、休止期というサイクルを繰り返しますが、AGAではこのサイクルが短縮されてしまいます。
毛周期の乱れとDHTの影響
通常、髪の成長期は2~6年と長く、この間に髪は太く長く成長します。しかし、DHTが毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体と結合すると、成長期が数ヶ月から1年程度に短縮されてしまいます。その結果、髪は十分に成長する前に退行期・休止期に入り、細く短い「軟毛」の状態で抜け落ちてしまいます。このサイクルが繰り返されることで、徐々に髪のボリュームが減り、地肌が透けて見えるようになります。
当院のオンライン診療では、患者さまにご自身の頭部の写真を複数枚送っていただき、それを基に医師が視診を行います。特に、生え際の後退具合や頭頂部の薄毛の進行度合い、毛髪の細さなどを詳細に確認し、AGAの進行状況を把握するようにしています。この視診により、自宅にいながらも専門的な診断を受けられるため、「遠方で通院が難しい」とおっしゃる患者さまにとって非常に便利という声をいただいています。
AGA治療の選択肢:効果的な治療法とは?

AGAの治療は、主にDHTの生成を抑制する薬や、毛髪の成長を促進する薬を使用します。早期に治療を開始することで、進行を遅らせ、改善効果を期待できます。
内服薬による治療
- フィナステリド(プロペシアなど): 5αリダクターゼII型を阻害し、テストステロンからDHTへの変換を抑制します。これにより、毛周期の正常化を促し、脱毛の進行を抑える効果が期待できます[1]。
- デュタステリド(ザガーロなど): 5αリダクターゼのI型とII型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも強力にDHTの生成を抑制するとされています。
- ミノキシジル内服薬: 毛乳頭細胞や毛母細胞に直接作用し、毛髪の成長を促進する効果が期待できます。血管拡張作用により、頭皮の血行を改善し、毛根への栄養供給を増やすと考えられています。
外用薬による治療
- ミノキシジル外用薬: 頭皮に直接塗布することで、毛乳頭細胞を活性化させ、毛髪の成長を促進します。市販薬としても広く普及しており、手軽に始められる治療法の一つです。
- 外用フィナステリド: 最近では、外用薬としてフィナステリドが開発され、臨床試験でその有効性と安全性が確認されています[2]。内服薬に抵抗がある方や、副作用が気になる方にとって新たな選択肢となる可能性があります。
AGA治療薬は、医師の診察と処方に基づき使用することが重要です。自己判断での使用は、効果が得られないだけでなく、思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。特に、女性や未成年への使用は禁忌とされている薬剤もあるため、必ず専門医にご相談ください。
治療を始めて3ヶ月ほどで「抜け毛が減った」「髪に少しコシが出てきた」とおっしゃる方が多いですが、目に見える発毛効果を実感するには通常6ヶ月以上の継続が必要です。処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、患者さまが治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。
オンライン診療でAGA治療を始めるメリットとは?
AGA治療は継続が重要ですが、多忙な現代人にとって、定期的な通院は負担になりがちです。オンライン診療は、このような課題を解決し、治療をより身近なものにします。
オンライン診療の利便性とプライバシー保護
オンライン診療の最大のメリットは、自宅や職場など、どこからでも診察を受けられる利便性です。移動時間や待ち時間がなく、スマートフォンやパソコンを通じて手軽に専門医の診察を受けられます。これにより、仕事が忙しい方や、遠方に住んでいる方でも、治療を継続しやすくなります。
また、AGA治療はデリケートな悩みであるため、クリニックへの通院に抵抗を感じる方も少なくありません。オンライン診療であれば、他人の目を気にすることなく、プライバシーが守られた環境で相談できます。初診時に「クリニックに行くのが恥ずかしかったので、オンラインで相談できて助かった」と相談される患者さまも少なくありません。
オンライン診療での処方の流れ
- 予約: まずは当院のウェブサイトから、ご希望の日時を選択し、オンライン診療の予約をします。
- 診察: 予約時間になったら、ビデオ通話システムを通じて医師とオンラインで診察を行います。問診や写真による視診を通じて、患者さまの症状や健康状態を詳しく確認します。
- 処方: 医師がAGAと診断し、治療が必要と判断した場合、適切な治療薬を処方します。処方薬の種類や服用方法、副作用などについて丁寧に説明します。
- 配送: 処方されたお薬は、ご自宅に郵送されます。プライバシーに配慮し、中身が分からないように梱包してお届けします。
このように、オンライン診療は予約から薬の受け取りまで、すべて自宅で完結できるため、非常にスムーズに治療を開始・継続できます。
AGA治療の料金プランと定期配送オプションについて

AGA治療は継続が重要なため、費用面や薬の受け取りやすさも重要な要素です。当院では、患者さまが安心して治療を続けられるよう、様々な料金プランと便利な配送オプションをご用意しています。
費用を抑えるための料金プランとは?
AGA治療薬は自由診療となるため、保険適用外です。そのため、クリニックによって料金設定は異なります。当院では、患者さまの症状やご希望に応じて、複数の料金プランをご用意しています。例えば、長期的な治療を見据えたお得な複数ヶ月分プランや、定期的に薬をお届けする定期配送オプションなどがあります。これにより、一度に大きな費用負担を軽減しつつ、治療を継続しやすくしています。
| 項目 | オンライン診療 | 対面診療 |
|---|---|---|
| 診察場所 | 自宅、職場など | クリニック |
| 移動時間・待ち時間 | なし | あり |
| プライバシー | 高い | 中程度 |
| 費用 | 薬代+診察料+送料 | 薬代+診察料 |
| 薬の受け取り | 自宅へ配送 | クリニックまたは薬局 |
定期配送オプションのメリットは?
定期配送オプションをご利用いただくことで、毎月または数ヶ月ごとに自動的に治療薬がご自宅に届きます。これにより、薬の買い忘れを防ぎ、治療の中断リスクを減らすことができます。また、定期配送にすることで、通常よりも費用が割引になるケースもございます。自宅で治療を続けられる患者さまからは、「忙しくて薬局に行く暇がないので、定期配送が便利」という声をいただいています。
対面診療とオンライン診療、どう使い分けるべき?
オンライン診療は非常に便利ですが、対面診療にもそれぞれのメリットがあります。患者さまの状況やニーズに合わせて、適切に使い分けることが重要です。
オンライン診療が向いているのはどんな人?
- 忙しくてクリニックに通う時間がない方: 移動時間や待ち時間を削減できます。
- 遠方に住んでいて近くに専門クリニックがない方: 地域に関わらず専門医の診察を受けられます。
- AGA治療を周囲に知られたくない方: 自宅で診察を受けられ、薬も自宅に届くため、プライバシーが守られます。
- 継続的な治療が必要で、定期的な薬の受け取りを簡素化したい方: 定期配送オプションを利用できます。
対面診療が推奨されるケースとは?
- 頭皮の状態を直接詳しく診てほしい方: 医師が直接頭皮や毛髪の状態を触診・視診することで、より詳細な診断が可能です。
- 血液検査など、より詳細な検査が必要な場合: オンライン診療では実施できない検査が必要な場合は対面診療が必須です。
- 他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合: AGA以外の脱毛症や頭皮疾患の可能性も考慮される場合、対面での精密な診察が望ましいです。
- 治療に対する不安が大きく、直接医師とじっくり相談したい方: 対面でのコミュニケーションを通じて、より安心して治療に臨める場合があります。
当院では、オンライン診療で治療を開始した後も、必要に応じて対面診療への切り替えを推奨することがあります。例えば、治療効果が芳しくない場合や、予期せぬ副作用が出た場合などです。患者さまの安全と最適な治療効果を最優先に考え、柔軟な対応を心がけています。
まとめ
AGAは男性ホルモンの一種であるDHTが主な原因であり、テストステロンが高いからといって必ずしも薄毛になるわけではありません。遺伝的要因や5αリダクターゼの活性度、アンドロゲン受容体の感受性が複雑に絡み合って発症します。フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった治療薬によって、DHTの生成を抑制したり、毛髪の成長を促進したりすることで、AGAの進行を効果的に抑制し、改善を期待できます。オンライン診療は、時間や場所の制約を受けずに専門医の診察を受け、治療薬を自宅で受け取れるため、多忙な方やプライバシーを重視したい方にとって非常に有効な選択肢です。しかし、より詳細な検査や直接的な頭皮の観察が必要な場合は、対面診療を検討することも重要です。ご自身の状況に合わせて、最適な治療方法を選択しましょう。
よくある質問(FAQ)
- K D Kaufman, E A Olsen, D Whiting et al.. Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. Finasteride Male Pattern Hair Loss Study Group.. Journal of the American Academy of Dermatology. 1998. PMID: 9777765. DOI: 10.1016/s0190-9622(98)70007-6
- B M Piraccini, U Blume-Peytavi, F Scarci et al.. Efficacy and safety of topical finasteride spray solution for male androgenetic alopecia: a phase III, randomized, controlled clinical trial.. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV. 2022. PMID: 34634163. DOI: 10.1111/jdv.17738
- B M Piraccini, A Alessandrini. Androgenetic alopecia.. Giornale italiano di dermatologia e venereologia : organo ufficiale, Societa italiana di dermatologia e sifilografia. 2014. PMID: 24566563
- Daedong Kim, Eunyoung Lee, Pyeong Geun Choi et al.. Justicia procumbens prevents hair loss in androgenic alopecia mice.. Biomedicine & pharmacotherapy = Biomedecine & pharmacotherapie. 2024. PMID: 38154270. DOI: 10.1016/j.biopha.2023.115913
- プロペシア(フィナステリド)添付文書(JAPIC)
- ザガーロ(デュタステリド)添付文書(JAPIC)