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【脂漏性脱毛症とAGAの見分け方】|医師が解説する症状と対策

📋 この記事のポイント

脂漏性脱毛症とAGAの見分け方を医師が解説。それぞれの症状、原因、治療法、オンライン診療のメリットと対面診療との使い分けについて詳しくご紹介します。

最終更新日: 2026-04-16
📋 この記事のポイント
  • ✓ 脂漏性脱毛症とAGAは異なる原因と症状を持つため、正確な診断が重要です。
  • ✓ 専門医による問診や視診、トリコスコピー検査が鑑別診断に役立ちます。
  • ✓ それぞれの脱毛症に適した治療法を選択することで、効果的な改善が期待できます。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

脂漏性脱毛症とAGA(男性型脱毛症)は、どちらも頭皮の毛髪が薄くなる症状を引き起こしますが、その原因や進行パターン、治療法は大きく異なります。正確な診断なくして適切な治療は望めません。この記事では、これら二つの脱毛症を見分けるためのポイントを、専門的な視点からわかりやすく解説します。

脂漏性脱毛症とは?その特徴と原因

赤みやフケを伴う脂漏性脱毛症の頭皮の状態と毛髪の様子
脂漏性脱毛症の頭皮と毛髪

脂漏性脱毛症とは、頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで起こる脂漏性皮膚炎が原因となり、炎症やフケ、かゆみが生じ、結果として脱毛を招く状態を指します。このタイプの脱毛症は、頭皮環境の悪化が直接的な引き金となります。

脂漏性脱毛症の主な症状と進行パターンは?

脂漏性脱毛症の主な症状は、頭皮の強いかゆみ、赤み、ベタつき、そしてフケです。特にフケは、乾燥した細かいものだけでなく、脂っぽく湿ったものが特徴的です。これらの症状は、頭皮の炎症が進行するにつれて悪化し、毛根へのダメージが蓄積されることで脱毛が始まります。脱毛は、頭皮全体に広がるびまん性のこともあれば、炎症が強い部分に集中して起こることもあります。臨床の現場では、シャンプー後も頭皮のベタつきが残り、かゆみを訴える患者さまをよく経験します。また、炎症が慢性化すると、毛包が萎縮し、最終的には毛髪が生えにくくなる可能性も指摘されています。

皮脂の過剰分泌は、マラセチア菌という常在菌の増殖を促し、この菌が炎症反応をさらに悪化させることが知られています[5]。この悪循環が、脂漏性脱毛症の進行を加速させる要因となります。

脂漏性脱毛症の主な原因は何ですか?

脂漏性脱毛症の主な原因は、皮脂の過剰分泌と、それに伴う頭皮の炎症です。皮脂の分泌量は、ホルモンバランス(特に男性ホルモンの影響)、食生活(脂質の多い食事)、ストレス、睡眠不足、シャンプーのしすぎや不足など、様々な要因によって変動します。遺伝的な体質も関与すると考えられていますが、AGAのように明確な遺伝的パターンがあるわけではありません。当院では、食生活の乱れやストレスを抱えている患者さまが多くいらっしゃり、生活習慣の改善指導も治療の一環として重要視しています。

脂漏性皮膚炎
皮脂腺が発達した部位(頭部、顔面、胸部など)に生じる慢性的な炎症性皮膚疾患。赤み、かゆみ、フケ、脂っぽいかさぶたなどが特徴で、マラセチア菌の増殖が関与すると考えられています。

AGA(男性型脱毛症)とは?その特徴と原因

AGA(Androgenetic Alopecia)は、男性ホルモンが関与する進行性の脱毛症で、男性に多く見られますが、女性にも発症することがあります。遺伝的要因が強く、特定のパターンで脱毛が進行するのが特徴です。

AGAの主な症状と進行パターンは?

AGAの主な症状は、生え際(M字型)や頭頂部(O字型)から徐々に毛髪が薄くなり、最終的には広範囲にわたって脱毛が進行する点です。毛髪は細く短くなり、産毛のようになっていきます。脂漏性脱毛症のような強いかゆみや炎症は通常ありません。女性の場合、頭頂部から全体的に薄くなるびまん性脱毛のパターンをとることが多く、男性とは異なる進行を見せることがあります[3]。オンライン診療では、ご自身の生え際や頭頂部の写真を送っていただき、進行度合いを確認する相談が特に多いです。

脱毛の進行度合いは、ハミルトン・ノーウッド分類やルードヴィヒ分類などのスケールを用いて評価されます。早期に治療を開始することで、進行を遅らせ、改善が期待できるとされています。

AGAの主な原因は何ですか?

AGAの主な原因は、遺伝と男性ホルモン(テストステロン)の代謝産物であるジヒドロテストステロン(DHT)です。テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHTに変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで、毛周期を乱し、成長期を短縮させ、毛髪を細くする作用があります。このDHTに対する感受性は遺伝的に決まると考えられています。当院の患者さまの中には、ご家族に薄毛の方がいらっしゃるケースが多く、遺伝的背景の重要性を再認識させられます。

特に、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞はDHT受容体が多く、感受性が高いため、これらの部位から脱毛が始まることが多いのです。側頭部や後頭部の毛髪はDHTの影響を受けにくいため、AGAが進行してもこれらの部位の毛髪は残りやすい傾向にあります。

脂漏性脱毛症とAGAの見分け方は?

脂漏性脱毛症とAGAの主な違いを比較した頭皮の拡大
脂漏性脱毛症とAGAの比較

脂漏性脱毛症とAGAは、見た目の症状が似ているため、自己判断での鑑別は困難です。しかし、専門医による詳細な問診、視診、そして検査によって正確な診断が可能です。

症状と進行パターンの違い

最も大きな違いは、頭皮の状態と脱毛の進行パターンです。

  • 脂漏性脱毛症: 頭皮の赤み、かゆみ、ベタつき、脂っぽいフケが顕著です。脱毛は頭皮の炎症部位に一致して起こりやすく、びまん性または局所的です。毛髪は細くなることもありますが、AGAほど顕著ではありません。
  • AGA: 頭皮に炎症やかゆみは通常ありません。生え際(M字)や頭頂部(O字)から脱毛が始まり、毛髪が徐々に細く短くなる「軟毛化」が特徴です。

臨床の現場では、頭皮の炎症の有無、フケの種類、脱毛の範囲とパターンを細かく確認することで、鑑別の手掛かりとします。

専門的な検査による鑑別診断

視診だけでは判断が難しい場合、以下の専門的な検査が鑑別診断に役立ちます。

  1. トリコスコピー(ダーモスコピー): 特殊な拡大鏡を用いて頭皮と毛髪の状態を詳細に観察する検査です。脂漏性脱毛症では、毛包周囲の炎症、血管の拡張、脂っぽいフケなどが観察されます。一方、AGAでは、毛髪の太さの不均一性(毛幹径の多様性)、毛包の萎縮、空の毛包開口部などが特徴的に見られます[1][4]
  2. 血液検査: ホルモンバランスの異常や、脱毛を引き起こす可能性のある他の疾患(甲状腺機能異常など)の有無を確認するために行われることがあります。
  3. 皮膚生検: 稀に、他の脱毛症との鑑別が困難な場合や、炎症が強い場合に、頭皮の一部を採取して病理組織学的に検査することがあります。

これらの検査を組み合わせることで、より正確な診断が可能となり、適切な治療方針を立てることができます。特にトリコスコピーは非侵襲的で、診察室で手軽に行えるため、鑑別診断に非常に有用です。

項目脂漏性脱毛症AGA(男性型脱毛症)
主な原因皮脂の過剰分泌、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎)遺伝、男性ホルモン(DHT)
頭皮の状態赤み、かゆみ、ベタつき、脂っぽいフケ通常は炎症なし、乾燥していることも
脱毛パターン炎症部位に一致、びまん性または局所的生え際(M字)や頭頂部(O字)から進行
毛髪の変化細くなることもあるが、炎症が主因軟毛化(細く短い産毛化)が顕著
発症年齢幅広い年齢層20代以降に発症することが多い

それぞれの脱毛症に対する治療法とは?

脂漏性脱毛症とAGAでは、原因が異なるため、治療法も大きく異なります。正確な診断に基づいた適切な治療が、症状改善の鍵となります。

脂漏性脱毛症の治療法

脂漏性脱毛症の治療は、まず頭皮の炎症を抑え、皮脂の分泌をコントロールすることに重点が置かれます。主な治療法は以下の通りです。

  • 薬用シャンプー: 抗真菌成分(ケトコナゾールなど)や抗炎症成分が配合されたシャンプーを使用し、マラセチア菌の増殖を抑え、頭皮の炎症を鎮めます。
  • 外用薬: ステロイド外用薬や抗真菌薬を頭皮に塗布することで、炎症やかゆみを直接的に抑えます。
  • 内服薬: 炎症が強い場合や広範囲に及ぶ場合は、抗真菌薬やビタミンB群などの内服薬が処方されることがあります。
  • 生活習慣の改善: バランスの取れた食生活、十分な睡眠、ストレス管理、適切な頭皮ケア(洗いすぎない、すすぎ残しがないなど)も重要です。

処方後のフォローアップでは、患者さまの頭皮の状態が改善しているか、かゆみやフケが軽減しているかを確認するようにしています。自宅で治療を続けられる患者さまからは、「オンラインで処方されたシャンプーが便利で、頭皮の状態が良くなった」という声をいただいています。

AGAの治療法

AGAの治療は、男性ホルモンの影響を抑え、毛髪の成長を促進することに重点が置かれます。主な治療法は以下の通りです。

  • 内服薬:
    • フィナステリドデュタステリド: 5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑制することで、脱毛の進行を抑え、発毛を促進することが期待されます。これらの薬剤は、AGA治療の中心となります。
  • 外用薬:
    • ミノキシジル: 毛母細胞を活性化させ、毛髪の成長を促進する効果が期待されます。内服薬と併用することで、より高い効果が報告されています。
  • その他: 成長因子を頭皮に直接注入するメソセラピーや、自毛植毛などの選択肢もあります。

AGA治療は継続が重要であり、効果を実感するまでに数ヶ月から半年以上かかることが一般的です。当院では、患者さまのライフスタイルに合わせて、定期配送オプションもご用意しており、治療の継続をサポートしています。オンライン診療では、プライバシーに配慮しつつ、自宅で継続しやすい環境を提供できるため、治療のハードルが下がると感じています。

⚠️ 注意点

自己判断で市販薬を使用したり、民間療法に頼ったりすることは、症状を悪化させる可能性があります。必ず専門医の診断を受け、適切な治療法を選択してください。

オンライン診療で脂漏性脱毛症・AGAの診断と治療は可能?

オンライン診療で医師が患者の頭皮の状態を診察する様子
オンライン診療で頭皮を診察

オンライン診療は、忙しい方や遠方にお住まいの方にとって、医療アクセスを向上させる有効な手段です。脂漏性脱毛症やAGAの診断・治療においても、その利便性と安全性が注目されています。

オンライン診療のメリットと診察の流れ

オンライン診療の最大のメリットは、自宅や職場など、どこからでも診察を受けられる利便性です。これにより、通院時間や交通費の節約になり、人目を気にせずプライバシーが守られた環境で相談できる点も大きな利点です。特に脱毛症の悩みはデリケートな問題であり、オンライン診療は患者さまの心理的負担を軽減する一助となります。

オンライン診療の流れは以下のようになります。

  1. 予約: スマートフォンやPCから、都合の良い日時を選んでオンラインで予約します。
  2. 診察: 予約時間になると、ビデオ通話で医師とつながり、問診を受けます。頭皮の状態や脱毛のパターンについて、患者さまご自身で撮影した写真などを共有していただくこともあります。
  3. 処方: 医師が診断に基づき、適切な薬剤を処方します。
  4. 配送: 処方された薬剤は、ご自宅に配送されます。定期配送オプションを利用すれば、継続的な治療もスムーズです。

当院では、オンライン診療を通じて、これまで通院が難しかった患者さまにも専門的な治療を提供できるよう努めています。料金プランも明確に提示し、患者さまが安心して治療を始められるよう配慮しています。

対面診療との使い分けはどのようにすべき?

オンライン診療は非常に便利ですが、対面診療が適しているケースもあります。例えば、頭皮の炎症が非常に強い場合や、トリコスコピーなどの詳細な検査が必要な場合、あるいは他の皮膚疾患との鑑別が難しい場合は、対面での診察が推奨されます。また、治療開始後の経過観察はオンラインで十分なことが多いですが、症状が改善しない場合や、副作用が疑われる場合は、一度対面で医師に相談することが重要です。

オンライン診療は、特にAGAのような継続的な治療が必要な疾患において、患者さまの負担を軽減し、治療継続率を高める効果が期待できます。しかし、初診時や症状の変化が大きい際には、対面診療も視野に入れる柔軟な対応が望ましいでしょう。

まとめ

脂漏性脱毛症とAGAは、どちらも脱毛を伴う疾患ですが、その原因、症状、進行パターン、そして治療法は大きく異なります。脂漏性脱毛症は頭皮の炎症や皮脂の過剰分泌が主な原因であり、かゆみやフケが特徴的です。一方、AGAは遺伝と男性ホルモンが関与し、特定のパターンで毛髪が軟毛化していく進行性の脱毛症です。正確な鑑別診断には、専門医による問診や視診、トリコスコピーなどの検査が不可欠です。オンライン診療は、これらの脱毛症に対する診断と治療を、より手軽に、プライバシーを守りながら受けられる有効な手段です。しかし、症状の程度や鑑別の必要性に応じて、対面診療との適切な使い分けが重要となります。早期に専門医に相談し、ご自身の症状に合った治療を開始することが、脱毛の進行を抑え、改善へと導く第一歩です。

よくある質問(FAQ)

脂漏性脱毛症はAGAに進行することがありますか?
脂漏性脱毛症とAGAは異なる原因を持つ別の疾患ですが、併発することは十分にあり得ます。脂漏性皮膚炎による頭皮環境の悪化が、AGAの進行を早める可能性も指摘されています。両方の症状が見られる場合は、それぞれの原因に合わせた複合的な治療が必要となります。
女性でもAGAを発症しますか?
はい、女性でもAGA(女性型脱毛症、FAGA)を発症します。男性とは異なり、生え際の後退よりも頭頂部から全体的に毛髪が薄くなる「びまん性脱毛」のパターンをとることが多いです。女性のAGAも遺伝やホルモンバランスが関与すると考えられており、早期の診断と治療が推奨されます。
オンライン診療で処方される薬は対面診療と同じですか?
はい、オンライン診療で処方される薬は、対面診療で処方される薬と同じものです。医師が患者さまの症状や状態を適切に判断し、医学的根拠に基づいた処方を行います。ただし、患者さまの状態によっては、オンライン診療では処方できない薬や、対面での詳細な検査が必要となる場合があります。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長
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