ラピフォートワイプの効果・副作用 – 東京オンラインクリニック

ラピフォートワイプの効果・副作用

薬名: ラピフォートワイプ
読了時間: 約1分

ラピフォートワイプとは?

ラピフォートワイプ(Rapifort Wipes)は、日本で2番目に承認された原発性腋窩多汗症(ワキ汗)治療薬で、グリコピロニウムトシル酸塩を主成分とする抗コリン外用薬です。シートタイプの製剤で、ワキに拭くだけで発汗を抑制できる手軽な治療法として注目されています。

この薬は、副交感神経のアセチルコリンの働きをブロックすることで、汗腺の活動を抑制し、ワキ汗をコントロールします。エクロックゲルと同様に局所的に作用するため、全身性の副作用が少なく、手軽に使えるのが特徴です。

ラピフォートワイプの効果

  • ワキ汗の過剰な分泌を抑制し、衣服の汗ジミや臭いを軽減
  • 手軽なワイプタイプで、外出先でも簡単に使用可能
  • 発汗を抑えることで、皮膚トラブル(あせも・かぶれ・湿疹)を予防
  • 1日1回の使用で効果が持続

ラピフォートワイプは、交感神経の作用を抑え、発汗を制御することで、多汗症の症状を軽減します。

効果発現までの時間と持続時間

  • 塗布後2時間以内に効果が現れ、約24時間持続します。
  • 毎日1回の使用で、持続的な効果が期待できます。

ラピフォートワイプの用法・用量

  • 1日1回、ワキの清潔な状態にシートで拭き取る
  • 片ワキにつき1枚使用し、しっかり乾かしてから衣服を着る
  • 使用後は手を洗い、目や口に触れないようにする

※ 汗をかいてから拭くと、十分な効果が得られない可能性があります。

臨床成績

国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(短期試験:4週間)

対象:

  • 9歳以上(14~71歳)の原発性腋窩多汗症患者333例
  • HDSS注1)が3または4、かつ左右の腋窩の発汗重量が50mg以上

試験デザイン:

  • ラピフォートワイプまたはプラセボを1日1回、就寝前に4週間塗布
  • 無作為化二重盲検並行群間比較試験

主要評価項目:
投与4週後のHDSSが2段階以上改善かつ両腋窩の発汗重量が50%以上減少した被験者の割合

投与群被験者の割合(例数)群間差(95%信頼区間)P値
ラピフォートワイプ群41.1%(69/168例)24.7%(14.0%~34.8%)<0.0001
プラセボ群16.4%(27/165例)

この結果から、ラピフォートワイプの使用により、ワキ汗の抑制効果が統計的に有意であることが確認されました。

副作用:

  • 発現頻度: 15.5%(26/168例)
  • 主な副作用:散瞳: 3.6%(6/168例)排尿困難: 3.0%(5/168例)羞明(光に対する過敏症状): 2.4%(4/168例)

国内第Ⅲ相長期投与試験(52週間)

対象:

  • 15~65歳の原発性腋窩多汗症患者183例
  • HDSSが2以上、かつ左右の腋窩の発汗重量が30mg以上

試験デザイン:

  • ラピフォートワイプを1日1回、最大52週間使用(就寝前または朝起床後に塗布)

主要評価項目:

評価項目52週時点の改善率
HDSSが2段階以上改善した割合64.3%(83/129例)
両腋窩の発汗重量が50%以上減少した割合85.3%(110/129例)

副作用:

  • 発現頻度: 20.8%(38/183例)
  • 主な副作用:羞明、口渇: 各3.8%(7/183例)散瞳、霧視、接触皮膚炎: 各2.7%(5/183例)排尿困難: 2.2%(4/183例)

注1)HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale): 多汗症重症度判定指標

使用時の注意点

  • すぐに衣服を着ると、成分が拭き取られ効果が低減する可能性があります。
  • 抗コリン作用があるため、誤って目に入ると瞳孔が開く(散瞳)ことがあります。
  • ラピフォートワイプはワキ専用の薬であり、手汗・足汗には効果がありません。
  • 皮膚の刺激やかゆみが出ることがあるため、様子を見ながら使用してください。

他の多汗症治療薬との比較

薬剤名主な効果作用時間副作用の頻度投与頻度
ラピフォートワイプワキ汗の抑制24時間あり(皮膚のかゆみ・赤み)1日1回(外用)
エクロックゲルワキ汗の抑制24時間あり(皮膚刺激)1日1回(外用)
アポハイドローションワキ汗・手汗の抑制12〜24時間あり(皮膚刺激)1日1回(外用)
プロバンサイン(プロパンテリン)全身の発汗抑制3〜6時間あり(口渇・便秘)1日2〜3回(内服)

比較ポイント

  • ラピフォートワイプはワキ専用の外用薬であり、副作用が少なく、使いやすい。
  • エクロックゲルと同様に、ワキの発汗に効果的。
  • アポハイドローションは手汗にも効果があるが、持続時間が異なる。
  • プロバンサイン(内服薬)は全身の発汗抑制に有効だが、副作用が多い。

まとめ

  • ワキ汗を抑える新しい外用治療薬
  • 1日1回の使用で24時間効果が持続
  • 皮膚刺激やかゆみなどの軽度な副作用あり
  • エクロックゲル・アポハイド・プロバンサインとの比較を考慮して選択

ラピフォートワイプは、ワイプタイプの手軽さと高い発汗抑制効果を兼ね備えた多汗症治療薬として、多くの患者にとって有用な選択肢となります。

参考文献

関連する診療科目

多汗症治療

保険適用の多汗症治療で過度な発汗を抑制。

詳細を見る

すべての診療科目を見る

東京オンラインクリニックの全診療科目をご覧いただけます

診療科目一覧へ